ナウル共和国が仮想通貨大国を目指して経済改革へ
オーストラリア人財務責任者が、ナウル共和国(※以下、ナウルと表記)を太平洋地域の仮想通貨大国にするという野望を抱いて同国を訪れた事がわかった。
ナウルに新設されたCRVAA(Command Ridge Virtual Asset Authority:コマンドリッジ仮想資産局)は、仮想通貨の貸付や交換を含むデジタル資産の移転に関するライセンスおよび規制制度を創設し、これによってナウルは、オセアニアで初めてデジタル金融を規制する国となる。
CRVAAの新CEO(最高経営責任者)であるブライアン・フェルプス(Brian Phelps)氏は、ニュージーランドの公式国際放送局「ラジオ・ニュージーランド」の国際部門RNZ Pacificに対し、この制度はナウル経済、そして潜在的には地域全体の経済を変革する可能性があると述べたうえで、次のように語っている。
ナウルは経済的に脆弱(ぜいじゃく)な国です。この制度の設立の目的は、こうした懸念事項を解決し、より良い経済の未来を築く方法について革新的な方法を考えることです。
同CEOは、信頼できる安定した規制当局が存在すれば、太平洋地域の資金の流れを完全にデジタル化するための基盤が築かれ、他の国々が独自制度を構築する際の模範となる可能性があると述べました。そのため、送金などの主要な収入源に変革をもたらす可能性があると同CEOは付け加えた。
ナウルは送金分野でウエスタンユニオンと競争できるのか
ナウルは、太平洋地域を移動する労働者が母国に送金したい場合、送金手段として利用できるようになる可能性があると同CEOは考えており、現在の安全で確実な送金手段は、ステーブルコインのようなものを利用することだと述べている。
2025年7月3日(木曜日)、オーストラリアの金融犯罪取締機関であるAUSTRACは、太平洋地域最大の送金業者であるウエスタンユニオン(Western Union)に対し、顧客デューデリジェンスの不備や疑わしい取引の報告漏れなど、マネーロンダリング(資金洗浄)対策システムの欠陥を理由に監査を実施したと発表。同CEOは、ナウルが送金分野でウエスタンユニオンと競争できるかどうかを検討しており、「ナウルが能力開発のために検討すべきアイデアに過ぎない」と語っている。
同CEOは、太平洋諸島は仮想通貨の台頭を熱狂的に受け入れていると述べている。例えば…、パラオでは、デジタル居住プログラムと、国境を越えた取引のためのステーブルコインプログラムを開発。フィジーとバヌアツは、中央銀行デジタル通貨をめぐる機会に投資している。