Crypto.comの北米での取引量がコインベースを上回る
シンガポールを拠点とする仮想通貨取引所Crypto.com(クリプト・ドットコム)の取引活動は劇的に増加し、北米の仮想通貨取引所ランキングでコインベース(Coinbase)を上回った事がわかった。
同プラットフォームでの月間スポット取引は2024年7月の340億ドル(約5.2兆円)から、9月には1,340億ドル(約20.5兆円)に急増し、その月の北米の仮想通貨取引量全体の73%を占めた。一方のコインベースは9月に460億ドル(約7兆円)を取り扱ったが、Crypto.comは10月までに1,120億ドル(約17兆円)でリードを維持しており、100億ドル(約1.5兆円)未満のKraken(クラーケン)を圧倒している。
今急上昇の理由の1つには、378を超えるオプションを備えた広範なトークン選択も背景にある。これ程の幅広い提供は、ビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアム(Ethereum/ETH)などの人気のトークンからミームコインやニッチなエコシステムトークンまで多岐にわたり、多様なトレーダーを魅了。Crypto.comに比べて、コインベースとKrakenはそれぞれ290未満のトークン上場にとどまっており、多様性を求めるトレーダーにとってCrypto.comは魅力的な選択肢となっている。
Cboeのスポット仮想通貨部門の閉鎖もCrypto.com 取引量急増の背景に
仮想通貨アグリゲーターCoinGeckoのデータによると、BTCとETHは依然としてプラットフォーム上で優勢で、取引の85%以上を占めており、主にテザー(Tether/USDT)と米ドルのペアを通じて取引されている。
Crypto.comは米国の取引時間中に高いエンゲージメントの恩恵を受けており、Kaiko Researchはウェブトラフィックの26%が米国から発生していることを示している。この急増は、2024年の仮想通貨ETFへの関心の高まりと関連している可能性があり、市場の流動性が取引量に追いついている。
Crypto.comでのBTC取引サイズは年初来3倍になっており、これはCboeのスポット仮想通貨部門の閉鎖と時期を同じくしており、このインシデントにより、多くのトレーダーがCrypto.comに流れた可能性がある。
SECによる無許可で不当な規制は将来の米国政権に期待
この成功は規制上の課題の中で起こっており、2024年10月初め、Crypto.comはウェルズ通知を受け取った後、米国SECに対して訴訟を起こし、SECの「無許可の権限の乱用と違法な規則制定」に異議を唱えている。
Crypto.comの共同創設者兼クリス・マルザレク(Kris Marszalek)CEO(最高経営責任者)は、SECの行動は「無許可で不当な規制」であると主張し、将来の米国政権が仮想通貨に対してより建設的なアプローチを採用することが期待されている。