民主党ウォーレン上院議員がマイニング関連データを要求
米国のエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)民主党上院議員は、マイニング企業のエネルギー消費関連する配電網の安定性、排出量、補助金に関するデータを求めている事が分かった。
10月12日(水曜日)に発行されたウォーレン上院議員を含む7人の政府メンバーからの書簡で、テキサス州の仮想通貨マイニングに関する財務および運用情報を要求している事が分かった。同書簡は、テキサス州の独立電力網を運営するERCOT(Electric Reliability Council of Texas=テキサス電気信頼性評議会)のパブロ・ベガス(Pablo Vegas)CEO(最高経営責任者)に宛てて送られたとのこと。
エリザベス・ウォーレン上院議員による書簡の内容
ベガスCEO宛ての書簡具には、気候変動や炭素排出といった環境問題に加え、テキサスのエネルギー網の安定性に対するビットコイン(Bitcoin)マイニングの影響に関する情報を要求しているとのこと。
また、ERCOT がマイニング企業に提供した可能性のある補助金の詳細も求めている。ERCOT は電力削減契約を提供しており、ピーク時の電力使用量を削減するために企業に支払うという。マイニング企業の1つであるRiot Blockchainは、2022年7月に補助金から950万ドル(約14億円)を稼いだが、同月のビットコイン販売からは560万ドル(約8.2億円)しか稼いでいない。
ヒューストン市の全住宅に2倍以上の電力を供給できる電力量
ウォーレン氏の書簡は、同州の安価な電力と規制緩和により、仮想通貨マイニング企業が大量にテキサスに参入したことを示唆。
テキサスの電力網へのストレスと信頼性の低い電力市場に対する懸念を引き起こしていると指摘している。書簡は、同州が米国のビットコインマイニング全体の4分の1を担っていると見積もっている。大規模マイニング企業は、現在2ギガワットのエネルギーを使用しており、これは「ヒューストン市のすべての住宅に2倍以上の電力を供給するのに“十分な量”だという。ビットコインマイニングは、今後12~15カ月で5~6ギガワットの追加需要を生み出す可能性があると警告している。
ビットコイン批判派のウォーレン氏の書簡に署名した議員
エリザベス・ウォーレン上院議員が代表となった書簡には、同じく上院議員の7名が署名している。
シェルドン・ホワイトハウス(Sheldon Whitehouse)議員、エドワード・J・マーキー(Edward J. Markey)議員、ケイティ・ポーター(Katie Porter)下院議員、ジャレッド・ハフマン(Jared Huffman)議員、アル・グリーン(Al Green)議員、ラシダ・タリーブ(Rashida Tlaib)議員(※全議員、民主党議員)が同書簡に署名している。繰り返し述べているように、批判的な意見を持つウォーレン議員の書簡に署名する、つまり、署名した7名の民主党議員らも同様にビットコイン批判家とみられている。
ウォーレン議員は仮想通貨に批判的な意見を持つことで市場関係者らから広く知られた議員であり、2021年の薬物やヘビ油と比較して、仮想通貨関連技術について厳しい発言をしている人物だ。なかでも、ビットコインのエネルギー使用について、2021年7月ごろより批判を始めており、2022年には、少なくとも2つの政府機関に対し、仮想通貨のマイニングをより積極的に規制するよう要請している。