ストライプはステーブルコインプラットフォームのブリッジを11億ドルで買収

ストライプがブリッジを11億ドルで買収

決済大手のStripe(ストライプ)が、10億ドル超と評価される取引を経て、ステーブルコイン・プラットフォームBridge(ブリッジ)の買収を完了したことが明らかになった。

NEXTMONEYでは、特集記事「ストライプ、ステーブルコイン決済会社ブリッジを10億ドルで買収を検討」で買収の検討がなされている事を報じている。TechCrunch(テッククランチ)の共同設立者であるマイケル・アーリントン(Michael Arrington)氏は、詳細を明らかにすることなく、2024年10月20日(日曜日)付けのXへの投稿で買収を確認し、ストライプの買収額は11億ドル(約1659.5億円)であると発信している。先週、仮想通貨メディアは両社が交渉の最終段階にあると報じたが、決定には至っておらず、その時点では、StripeとBridgeのどちらもこの展開を確認していなかったとのこと。

コインベース(Coinbase)の元幹部ザック・エイブラムス(Zach Abrams)氏とショーン・ユー(Sean Yu)氏によって2022年に設立されたBridgeは、ステーブルコインの作成、送金、保管を容易にする。今回の買収は、Sequoia(セコイア)、Ribbit(リビット)、Index(インデックス)が主導した8月の4,000万ドル(約60億円)の資金調達ラウンドに続くものだ。

また、Stripe社にとっては、今回の投資は仮想通貨分野でのサービス拡大計画に沿ったものであり、2014年にビットコイン(Bitcoin/BTC)決済を導入したが、その4年後には利用率が低いという理由でサービスを中止している。その後、2024年に同社のジョン・コリソン(John Collison)社長は、取引速度の向上とコストの削減を理由に、ブロックチェーンベースの代替サービスへの需要が高まっていることを強調し、ステーブルコイン決済による仮想通貨分野への再参入を発表した。

Stripeはさまざまな取り組みを通じて仮想通貨セクターと関与

ステーブルコインは、ビットコインのような仮想通貨に見られるボラティリティを避けるため、安定した資産(多くの場合、米ドルやその他の不換紙幣)に固定されたデジタル通貨であり、その価値は安定しており、日々の取引に適している。

10月15日(火曜日)、StripeはPaxos(パクソス)との提携により、「Pay with Crypto」オプションでCircle(サークル)のUSDCステーブルコインの受け入れを開始。この提携により、70カ国の加盟店がフィアット(法定通貨)決済のステーブルコインによる支払いを開始できるようになった。

これまでにもStripeは、USDCを通じたXのクリエイターへのペイアウトの導入や、2022年のフィアットからクリプトへのオンランプサービスの開始など、さまざまな取り組みを通じて仮想通貨セクターと関わってきた。

一方で、今回の買収は、2024年第3四半期に時価総額が過去最高の1,700億ドル(約25.6兆円)近くに達したステーブルコインの利用急増と重なり、Ripple(リップル)社のブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)CEO(最高経営責任者)によれば、この市場は2030年までに3兆ドル(約452.3兆円)に達する可能性があるという。

最近、多くの伝統的な金融プラットフォームが競争の激しいステーブルコイン市場に参入しており、世界的な決済ネットワークであるVisaは10月上旬、銀行がフィアット裏付けのステーブルコインを発行できるプラットフォームを立ち上げた。また、2023年にPayPal(ペイパル)はイーサリアム上でPayPal USD (PYUSD)をローンチし、中央仲介者なしで低コストの送金を可能にすることで、ステーブルコイン市場に参入しており、それ以来ステーブルコインはソラナに拡大し、Coingeckoのデータでは6億2,700万ドル(約945.9億円)以上の時価総額を誇っている。

ストライプ、ステーブルコイン決済会社ブリッジを10億ドルで買収を検討

2024.10.21