米国上院議員がステーブルコイン法案を提出
2024年4月17日(金曜日)、上院銀行委員会のシンシア・ルミス(Cynthia Lummis)米国上院議員のキルステン・ギリブランド(Kirsten Gillibrand)上院議員は、ステーブルコインに対する米国の規制枠組みを創設する法案を提出した事がわかった。
超党派のルミス・ギリブランド決済ステーブルコイン法案は、消費者とデジタル資産市場参加者を保護しながら、責任あるイノベーションを促進し、米ドルの優位性を維持することを目指している。
今法案は、ステーブルコインについては、2022年に提案しているRFIA(Responsible Financial Innovation Act:責任金融イノベーション法)に取って代わるものであり、RFIA は、一般的なデジタル資産に対する完全な規制枠組みを提案しているのに対し、今法案は決済ステーブルコインの包括的な規制に焦点を当てているとのことだ。「支払いステーブルコイン」とは、支払いまたは決済の手段として使用される、または使用されるように設計された暗号資産を意味している。その発行者はその資産を固定通貨と引き換える義務を負っている。
複数機関によって技術援助を受けている今法案
両議員は、今法案はFRB、財務省、国家経済会議、ニューヨーク金融サービス局、ワイオミング銀行局、FDICの代表者から複数回の技術援助を受けている事を明らかにしている。
両議員らは、不透明ではあるものの、今法案が上院と下院で必要な支持を得られると確信していると述べている。競合する超党派の法案は、下院金融サービス委員会で1年にわたって進められており、同委員会委員長のパトリック・マクヘンリー(Patrick McHenry)氏の共同執筆と支持を得ている。しかし、ルミス上院議員とギリブランド上院議員は、自分たちの法案について、次のように述べている。
安全性、健全性、そして金融イノベーションにおける世界のリーダーとしての地位を米国に維持する最良の機会を与えるものである。
ステーブルコインが米国経済に与える影響と、国際商取引における米ドルの基軸通貨としての地位は複雑であり、ステーブルコインは声高に支持する者と熱烈な批判者の両方を惹きつけている。今法案は、ステーブルコインを無視するのではなく、包括的な方法で規制することを目指すことで、これらの問題に取り組む建設的なアプローチを採用。さらに、規制された金融機関によるドル裏付け資産の革新を奨励することにより、世界市場でのドル高を促進する可能性があり、規制されていないステーブルコイン市場に影を落としている、違法な資金調達、保管、準備金、破産、プライバシーに関連するリスクなど、さまざまなリスクを囲い込むことが期待されている。