ナイジェリア政府がデジタルキャッシュを推進で需要増によるビットコインが急騰

ナイジェリアで60%のビットコインプレミアム発生

西アフリカの国民の間で、デジタル資産の需要が高まるなか、ナイジェリアにおけるビットコイン(Bitcoin/BTC)価格が、世界市場の評価額を超えて大幅に上昇していることが明らかになった。

ナイジェリアの大手仮想通貨取引所NairaEXでは現在、BTCは1,750万ナイラ(約495万円)で取引されており、ナイジェリア人は現在の世界的なBTC価格である23,200ドル(1BTC=297.7万円、※CoinMarketCap調べ)に対して60%のプレミアムを支払わなければならない。

ナイジェリアでは、政府がキャッシュレス経済の実現に向けて銀行やATMでの現金引き出しに制限を設けることを決定したため、有力なデジタル資産への需要が増え続けており、今回の事態が発生したとのこと。

自国通貨の再設計とキャッシュレス経済の推進を図るナイジェリア

ナイジェリア中央銀行は2022年12月、個人と法人組織に対してそれぞれ10万ナイラ(約28,150円)、50万ナイラ(約14万円)という1週間の引き出し制限を課しており、この上限を超える引き出しには、個人は5%、法人は10%の処理手数料がかかる。

同時に規制当局は、ATMによる1週間あたりの現金引き出し上限を10万ナイラ(217ドル)とし、1日あたりの現金引き出し上限を2万ナイラ(43ドル)としたことを明らかにした。この引き出し限度額の発表は、ナイジェリアが通貨を再設計し、偽造に対抗し、不正な金融取引を阻止し、キャッシュレス経済を推進するために、新たに引き出せる紙幣の枚数を制限し、経済界に出回る紙幣の数を減らす事を目的としているとのこと。ナイジェリア中央銀行は、1月24日までナイジェリア国民に古い高額の紙幣を新通貨に交換することを許可しており、この措置は国民に不安を与え、人々は期限が短すぎるとの報告を受けて延長に至っている。

一方、ナイジェリアでビットコインがプレミアムで取引されるのは今回が初めてではなく、2021年のはじめに中央銀行が金融機関による仮想通貨取引所へのサービス提供を禁止した際、ビットコインが36%のプレミアムで取引されている。ナイジェリア政府がキャッシュレス経済を実現し、それによって現金の入手を制限する動きを受けて、ここ数カ月、ナイジェリア人の間でBTCへの関心が高まっている。さらに、世界ナンバーワンの仮想通貨取引所であるBinanceと、地域の仮想通貨およびブロックチェーン事業を支援する経済圏を開発するための協議を行っていることも報じられている。実際、分析プラットフォームGoogle Trendsのデータによると、ナイジェリアの投資家は、米国の投資家よりもビットコインの購入に興味を持ち始めているとのこと。