マンゴー・マーケット事件で詐欺容疑を棄却
米国連邦判事は、マンゴー・マーケッツ(Mango Markets)事件において、アブラハム・アイゼンバーグ(Avraham Eisenberg)被告に対する商品取引詐欺と市場操作の訴追を棄却した。
米国連邦裁判所は、分散型取引所マンゴー・マーケッツの1億1,000万ドルのエクスプロイト(※情報セキュリティの脆弱性を利用したコンピューター攻撃)をめぐる事件の中心人物であるトレーダー、同被告に対する詐欺および市場操作の有罪判決を取り消した。
DOJ(米国司法省)は、アイゼンバーグ氏がマンゴーのスマートコントラクト型融資システムを欺いたと主張。しかし、2025年5月23日(金曜日)の判決で、自称「応用ゲーム理論家」アルン・スブラマニアン(Arun Subramanian)連邦地裁判事は、DeFiプロトコルのパーミッションレス設計には虚偽表示の余地がないと判断。裁判で提出された証拠は、重大な虚偽表示をしたという陪審の結論を裏付けるには不十分であったと判断した。この判決により、同被告の商品詐欺および市場操作の有罪判決は取り消された。
同判事は、同被告の商品詐欺と市場操作の有罪判決を覆し、3つ目の容疑についても無罪とし、マンゴー・マーケットへの虚偽の陳述を証拠が証明できなかったとして、スブラマニアン判事は同被告に有利な判決を下した。注目点は、同被告が別の容疑でも有罪判決を受けている点だ。この判決は、マンゴー・マーケット事件で逮捕時に欧州された証拠から、被告が1,200枚以上の児童ポルノ画像と動画を所持していた事で、同被告はすでに罪を認めている。
米国政府は取り消された訴追を再提出するか
検察側はニューヨーク州での審理を主張したものの、裁判官はニューヨーク州における容疑と重大な関連性がないと判断し、審理を却下した。
今事件で同被告は勝利となったにもかかわらず、依然としてSEC(米国証券取引委員会)とCFTC(米国商品先物取引委員会)の両方から民事訴訟に直面。また、米国政府が取り消された訴追を再提出するかどうかも不明のままである。