リップルRipple CBDCプラットフォームを立ち上げる
リップル(Ripple Labs Inc.)は、中央銀行、政府、金融機関の利用を可能にすることを目的としたRipple CBDCプラットフォームを立ち上げたほか、RippleNetパートナーTrangloが国境を越えた決済ソリューションを発表ことが分かった。
XRP Ledger(※Ripple分散型台帳技術)の基礎となるテクノロジーに基づいて構築されたこのプラットフォームは、2023年5月に一般公開され、デジタル通貨の発行と管理を容易にするように設計されている。
リップルCBDCプラットフォームは、一連の運用ステップを通じて動作し、標準APIを使用した既存システムとの統合から始まる。銀行はプラットフォームのツールを使用し、デジタル通貨またはステーブルコインを作成(鋳造)でき、これらの通貨は認証済みアカウントに直接配布できるため、承認された所有者だけが通貨を管理できるとのことだ。
同プラットフォーム上の取引は2~3秒以内に完了し、国境を越えた取引や複数資産の取引を含むさまざまなアプリケーションをサポート。さらに、同プラットフォームはデジタル通貨の償還と安全な破棄も可能にするため、中央銀行は通貨供給を正確に制御できるようになるという。
RippleNetパートナーTrangloが国境を越えた決済ソリューションを発表
国境を越えた支払いを専門とするRippleNetパートナーであるTrangloは、アジア8カ国、30以上の人気eWallet (eウォレット)への国際送金を容易にするダイレクト・トゥ・ウォレット・サービスを発表。
従来、eWallet への国際的な資金送金には仲介業者が関与しており、遅延やコストの増加が課題となっていた。そこでTrangloは、新しいソリューションによってこれらのハードルを取り除くことを目的としてプロセスを合理化。ユーザーは海外から参加国の受取人のeWalletに直接送金できるようになることで、取引が迅速化されるほか、関連手数料も削減される。
このサービスは現在、インドネシア、カンボジア、中国、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ベトナムのアジア 8カ国にて利用可能で、製品が成熟するにつれて、その範囲を徐々に拡大させ、さらに多くの国をカバーする予定だ。Trangloの取り組みは、アジアで急成長するeWallet市場に沿ったもので、同社のジャッキー・リー(Jacky Lee)CEO(最高経営責任者)は、2021年以降、eWallet取引が2倍に増加していることを強調している。
同社はeWalletへの進出を超えて、RippleのODL(オンデマンド流動性)製品を活用し、確立された「Tranglo Connect」サービスを提供しており企業は80カ国以上で国際決済ができる。2023年5月時点で同社は、ODLを通じて10億ドル(約1532.5億円)以上の処理に成功。同年9月には、ODLを使用したTrangloの国境を越えた支払いが1,729%増加したほか、2022年8月には、TrangloはUAEに新しい支払いコリドーを確立し、サービス提供を拡大させている。
Tranglo の革新的な同サービスは、リップルとの継続的な協力と相まり、国境を越えた支払いの分野での大幅な進歩を意味し、取引の合理化とコスト削減により、急成長するアジアのeWallet市場において、個人と企業の両方の金融アクセスに革命をもたらす可能性を秘めている。