CFTC、裁定取引戦略を悪用したAI主導の仮想通貨詐欺について警告を発出

CFTCが裁定取引戦略悪用のAI主導仮想通貨詐欺について警告

CFTC(商品先物取引委員)は、消費者向け注意喚起の中で、AI(人工知能)を活用して無防備な個人を詐欺的な仮想通貨投資スキームに誘い込む詐欺の急増について警告したことが明らかになった。

CFTCのプレスリリースによるとこれらの業者は、AIが作成したアルゴリズムが天文学的なリターンをもたらし、数万%、あるいは100%の成功率を誇るという概念を売り込んでいるという。こうした主張には、自動取引ボットやシグナルプロバイダーなど、さまざまなアルゴリズムが含まれているという。具体的には、これらの詐欺は、AIを搭載したアルゴリズムによって桁外れの利益を生み出すという主張をすることで、仮想通貨裁定取引への関心の高まりを悪用しているとのことだ。

CFTCによる具体的な警告内容

CFTCによると、規制当局は長年にわたり、商品プール、暗号資産、AIを活用することで平均以上の一貫したリターンを虚偽に約束した投資プログラムを販売し、顧客を欺いた複数の被告に対して法的措置を取ってきた。

また、約束された儲け代わりに、顧客は多額の金銭的損失に直面し、当時約17億ドル(2,518億円)に相当する約3万BTC(Bitcoin:ビットコイン)を含む多額の資金が消失したケースもあったとのことでCFTCは次のように警告している。

詐欺師たちは、AI(人工知能)への世間の関心を悪用し、不当に高い、または保証されたリターンを約束する自動取引アルゴリズム、取引シグナル戦略、仮想通貨取引スキームを売り込んでいる。詐欺師の言うことを信じてはいけない。AI技術は未来や市場の急変を予測することはできない。AIが作成したアルゴリズムが莫大なリターンを生み出すと主張する取引プラットフォームに資金を預ける前に、会社やトレーダーの経歴を調べる。主要人物の逆画像検索を行い、身元を確認する。lookup.icann.orgでドメイン登録の年齢をチェックし、取引ウェブサイトの歴史を調べる。セカンド・オピニオンを得る。ファイナンシャル・アドバイザー、信頼できる友人、家族と投資について話し合う。原資産に関連するリスクを知る。また、手数料、スプレッド、サブスクリプションコストがリターンに与える影響も考慮する。

こうした脅威の高まりを踏まえ、CFTCは個人に対し注意を促し、特にソーシャルメディアのインフルエンサーや見知らぬ個人がオンラインで宣伝するAI関連の投資機会に遭遇した場合は、懐疑的になることの重要性を強調。AIと仮想通貨市場の魅力が投資家を魅了し続けるなか、個人は潜在的なリスクについて常に警戒し、情報を得る必要があると言える。