メキシコ当局、麻薬カルテルと関与の可能性がある12仮想通貨取引所を特定

メキシコのカルテルはデジタル資産を取扱いか

メキシコ当局は、ハリスコ州の麻薬カルテルと関与しているとみられる12の未登録仮想通貨取引所を特定したことが分かった。

メキシコの金融インテリジェンスユニット(FIU)は、法的許可を取得せずに運営されている12の仮想通貨取引所に関する情報を受け取った。多くの専門家が、これらの仮想通貨取引所が悪名高いハリスコ新世代カルテル(麻薬カルテル)に関連しているとみている。

FIUは、さまざまな情報源から情報を取得しており、FIUの責任者であるニエト・カスティージョ(Nieto Castillo)氏は、当局がこの問題を解決するために努力することを保証したうえで、次のように語っている。

未登録仮想通貨プラットフォームが12取引所にのぼっており、現時点で違法に運用されていることがわかっています。司法長官事務所がこの点で運用できるようにケースを生成しています。


未登録仮想通貨取引所は罰金刑に直面

FIUのカスティージョ氏は、違法仮想通貨取引所がマネーロンダリングで仮想通貨を使用する犯罪者と関連しているのではないかという疑いを提起。

同氏はさらに、プラットフォームがすべてその地域に拠点を置いているため、麻薬カルテルのハリスコ新世代カルテルと関係がある可能性を排除しておらず、次のように語っている。

基本的な問題は、仮想通貨とそれらの犯罪グループとの関係を分析することです。私は、仮想通貨プラットフォームの多くがハリスコ州のいくつかの自治体にインストールされているという事実に感銘を受けました。

メキシコの法律によると、12の違法取引所のそれぞれが最大15,000ドル(約165万円)の罰金刑に直面している。これまでのところ、FIUは、仮想通貨の使用を通じて少なくとも3件の刑事事件を特定しており、そのうちの1件では、メキシコシティのナイジェリア人を巻き込んでいる事が判明している。

コロンビアの麻薬カルテルメンバーが仮想通貨でマネーロンダリングか

仮想通貨と麻薬カルテルが一緒に言及されるのはこれが初めてではない。

これまでにも仮想通貨と犯罪組織が結びついた事例は複数報告されており、2020年には、NEXTMONEYの特集記事「仮想通貨で決済できる児童ポルノサイトが、スペイン警察により閉鎖」 で報じたように、スペイン警察によって、国内外で運営されている仮想通貨による決済が可能な複数の児童ポルノサイトに関連する3人を逮捕した事を発表している。他にも、昨年、約600万ユーロ(約7億8,000万円)相当の仮想通貨をロンダリングしたとして、コロンビア系のオランダ人麻薬密売業者を逮捕。同密売業者は、麻薬カルテルの一部であり、ヨーロッパのシンジケートを代表していたことが分かっている。

仮想通貨で決済できる児童ポルノサイトが、スペイン警察により閉鎖

2020.07.01