正体不明のウォレットがサトシ・ナカモトのジェネシスアドレスに119万ドルのビットコインを送金

サトシ・ナカモトのジェネシスアドレスに119万ドルのビットコインを送金される

正体不明の個人が2024年1月5日(金曜日)に取引を開始し、119万ドル(約1.7億円)に相当する26.9BTCを、Satoshi Nakamoto(サトシ・ナカモト)として知られる偽名によってビットコイン(Bitcoin/BTC)ネットワーク上に作成された最初のウォレットであるGenesisウォレットに入金したことが明らかになった。

オンチェーン分析プラットフォームのArkham Intelligenceは、ビットコインをGenesisウォレットに入金する前に、謎のウォレット所有者が多様なアドレスを含む複雑な取引を通じて資金を供給したと報告。Arkham Intelligenceはまた、資金の大半をBinanceが所有していると思われるウォレットまでさかのぼったことを明らかにしている。サトシ・ナカモトのウォレットに送金される直前、この謎の送金者はBinanceの取引所から27BTC近くを引き出しており、ウォレットのアクティビティログにはこの2つの取引しか記録されていなかったとのこと。

この取引は、ビットコインが15周年を迎えた2日後の午前1時52分(※米国東部時間)に発生し、回収が不可能であったことから注目された。

バイナンスはサトシ・ナカモト氏の身元を知っている可能性も

法律がバイナンスのような仮想通貨取引所に厳格なKYC手続きを求めていることを考えると、ナカモト・ウォレットへの送金の背後にいる個人の身元は、バイナンスのコンプライアンス・チームが知っている可能性があるという見方もある。

このニュースに反応し、コインベース(Coinbase)のディレクターであるコナー・グローガン(Conor Grogan)氏は次のように述べている。

日本語訳:
サトシが目を覚まし、バイナンスから27ビットコインを購入し、ウォレットに入金したか、誰かが100万ドルを燃やしたかのどちらかです

失踪して以降は微動だにしていないウォレットの動きにさまざまな見方

ビットコインの発明者であるサトシ・ナカモト氏が発案したことで知られるGenesisウォレットは、2009年1月3日の設立以来、主に些細な塵の取引を蓄積。

理論的には、同氏がまだこれらのウォレットの秘密鍵を所有しており、資金を送金できる可能性はあるが、一般的な考えでは、それは非常にあり得ないことだ。実際、この考えを裏付ける証拠に、ジェネシスブロックの資金を含む同氏関連のウォレットからの資金は、2010年12月にビットコインの発明者が失踪して以来、微動だにしていない。

サトシ・ナカモトが姿を消した当初、Genesisウォレットには50BTCが保管されていたが、何年もの間、ウォレットには資金が流入し、2023年末までに72BTCに達しており、今回の最新の取引により、ウォレットの残高は約99.68BTCに増加。現在のレートで換算すると約430万ドル(約6.2億円)近くになる。

ビットコイン15周年の2日後に実施されたことを考えると、ビットコインの生みの親へのオマージュ(※敬意または賛辞)だと考える人もおり、大規模な財務上の失策か、費用のかかる宣伝行為ではないかと推測する者もいる。同時に、SEC(米国証券取引委員会)によるビットコインETFのスポット承認が予想されるのを前に、陶酔感をあおる試みと受け止める向きもあるようだ。