キルギスで2023年の仮想通貨マイニング急増
キルギス共和国(※以下、キルギスと表記)は、2023 年にマイニングによる税収が大幅に増加したことで、徐々に仮想通貨マイニングの本命となりつつあることが明らかになった。
キルギスには、豊富で未開発の水力発電の未知なる可能性があり、仮想通貨マイニング事業のホットスポットとなっている。同国財務省は、仮想通貨マイニング業界からの税収が大幅に増加し、2023年の最初の11カ月で7,860万ソム(約1.2億円)に達したと報告しており、これは前年に比べて驚くべき増加へとつながった。
2023 年を通じて、キルギスの仮想通貨マイニングによる税収は大幅な変動を経験。2月の最低額は73万8,000ソム(約119万円)であったが、8月の最高額は1,160万ソム(約1,800万円)に到達。8月の最高額からは減少したものの、11月までに税収は760万ソム(約1,200万円)で安定している。
ここで注目しておきたいのは、キルギスには現在、公式に運営されている仮想通貨マイニング会社が1社しかなく、かつてはより広範なマイニング業務をホストしていた点である。
キルギスのわかりやすい税制
キルギスは仮想通貨マイニングに対して単純な税制を採用しており、マイナーは、付加価値税と売上税を含む電気料金に対して10%の税率が適用されている。
この透明で予測可能な税制は、マイナーに明確性を提供するだけでなく、政府の収入源にも大きく貢献しているものの、この税率は依然としてキルギスの一般国民が支払う税率の5倍に相当している。
税収の急増はプラスではあるが、課題とチャンスが待ち構えており、サディル・ジャパロフ(Sadyr Japarov)大統領が2023年7月にカンバル・アタ第2水力発電所の仮想通貨マイニング施設を承認したことは前進と言える。2023年に仮想通貨の生産は、ダムの満水レベルの低下と近隣諸国との契約による配送制限により障害に直面。マイナーは電力の輸入に頼り、時には困難に直面している。ただし、課題にもかかわらず業界は、2023年10月までに1,700万KWhの電力を消費している事が分かっている
キルギスの仮想通貨マイニングの未来
キルギスの未開発の水力発電能力により、潜在的なマイニング拠点としての地位を確立している。
氷河、高地の湖、全長 35,000 キロメートルを超える河川に広大な水資源が存在するキルギスは、仮想通貨マイニング事業を主に水力発電に依存しているが、これらの資源の活用は依然として未開発のままである。政府が規制の枠組みを適応させ、水力発電の可能性を活用する機会を模索する中、キルギスにおける仮想通貨マイニングの将来は依然として注目され、成長の可能性がある分野となっている。
業界の回復力と政府の積極的な対策は、進化する状況を形作る上で重要な役割を果たすと高い関心と期待がよせられている。