オーストラリアのベンディゴ銀行が高リスクの仮想通貨決済を阻止

オーストラリアのベンディゴ銀行が仮想通貨決済をブロックすると発表

オーストラリアの「四大銀行」の一つであるベンディゴ銀行(Bendigo Bank)は、顧客を投資詐欺から守るため、“高リスクの仮想通貨決済”をブロックすると発表した事が分かった。

同銀行による今回の発表は、コモンウェルス銀行(Commonwealth Bank)、ナショナル・オーストラリア銀行(National Australia Bank)、ウェストパック(Westpac)など、オーストラリアの他の大手銀行の同様の動きに続くものである。

2023年7月31日に施行された今回の新規則は、不正取引との闘いを目的としているものの、同銀行はこの動きによってどの取引が影響を受けるか、どの取引所が影響を受けるかについての詳細は明らかにしていない。不正行為の責任者であるジェイソン・ゴードン(Jason Gordon)氏によると、新たな措置により、一部の本物の支払いに多少の摩擦が加わる可能性があるという。

同社は仮想通貨決済阻止の理由として、不正な支払いとの戦いと230万人の顧客に対する保護の強化を挙げており、同銀行広報は大手メディアのコインテレグラフの取材に対し、リスクが高いと判断した特定のインスタント仮想通貨取引はブロックされると語っている。同広報担当者は、要因の組み合わせを利用して高リスク取引を特定している事を明らかにしたものの、詳細についてはコメントを拒否し、現時点では明らかにされていない。

今措置が仮想通貨取引所やユーザーが当局の管轄外に追いやられる可能性

ベンディゴ銀行による発表前に行われたインタビューで、チェイナリシスの政策責任者チェンイー・オン(Chengyi Ong)氏は、今回と同様の動きは、オーストラリアの仮想通貨一般にオフショア取引所との交流を強いることになると警告。

同氏は、仮想通貨かどうかに関係なく、犯罪者による他のプラットフォームの使用を阻止するものではないと主張。銀行へのアクセスを巡る不確実性により、仮想通貨取引所やユーザーが当局の管轄外に追いやられる可能性もあると主張したうえで、次のように語っている。

すべての潜在的な攻撃ベクトルと、被害者と詐欺師の間の潜在的なやり取りのすべてのポイントをターゲットにする必要があります。私たちはそれらのタッチポイントのひとつひとつに取り組まなければなりません。

オン氏によるコメントは、同様の警告を含む6月の財務省の公式声明に続くものであり、同国財務省は、銀行取引廃止に対する無策が金融サービスの競争とイノベーションを阻害し、企業が地下に潜り、現金だけで運営される可能性があると認識していると述べている。