SECの文言修正を求めるバイナンス(Binance)の要請が判事により却下される

SECの文言修正を求めるバイナンスの要請が判事により却下される

6月17日のプレスリリースでSEC(米国証券取引委員会)による顧客資金の取り扱いに関するバイナンスUS(Binance.US)の描写方法を変更しようとするバイナンスの試みは連邦判事によって却下され、同社はこの措置が訴訟手続きに悪影響を与える可能性を懸念していることが分かった。

SECの言葉遣いを制限するというバイナンスの要請は、裁判所が「言葉遣いに関与」しないとして拒否。バイナンスUSとして運営されているBAM Tradingは、6月23日(金曜日)に提出された訴状の中で、SECの「誤解を招く超法規的声明」とみなされる内容について懸念を表明。バイナンスは9月21日までにSECの申し立てに応答しなければならず、SECは11月までに応答しなければならず、バイナンスは次のように語っている。

この問題に関する証拠の欠如について当法廷でSECがこれまで譲歩してきたこと、およびBAM顧客資産に関するSECの根拠のない懸念に対処するために被告らが訴状提出の前後に誠意を持って取り組んでいたという事実を考慮すると、SECのプレスリリースは残念である。


SECプレスリリースは市場に不必要な混乱を引き起こすことを目的としている

バイナンスを代表する法務チームは、SECのプレスリリースは市場に不必要な混乱を引き起こすことを目的としているようで、これはBAM顧客を保護するどころか悪影響を与える可能性があると主張している。

バイナンスUSに対するSEC訴訟を監督する判事エイミー・バーマン・ジャクソン(Amy Berman Jackson)判事は、これらの主張を却下。同判事は、裁判所の義務は、事件に関与するいずれかの当事者の公式声明を編集することには及ばない、と述べたうえで次のように語っている。

現時点では、その点を改めて強調するための裁判所の介入が必要であるか、当事者のプレスリリースの文言の捏造に裁判所が関与することが必要または適切であるかは明らかではない。また、これまでの政府機関の広報活動がこの訴訟の手続きに重大な影響を与えるかどうかも明らかではない。

弁護士らは、SECの描写は被告に不利な証拠を歪めて解釈し、陪審を「誤解させる」危険性があると指摘。彼らは「BAM顧客資産の悪用、混入、散逸の証拠はない」と強く主張している。