バイナンス(Binance)USは米国SECの資金凍結要請の取り消しを目指す

バイナンスUSがSECの資産凍結要請の取り消しを求める

バイナンスUS(Binance.US)は、資産凍結を求めるSEC(米国証券取引委員会)の要請を却下するよう連邦判事に要請し、事業停止につながると主張している事が分かった。

バイナンスUSは連邦判事に対し、規制当局との法廷闘争中に仮想通貨取引所の資産凍結を求めるSECの要請を拒否するよう求めた。大手メディアブルームバーグの報道によると、バイナンスUSは、資産凍結は事業に支障をきたし、顧客に損害を与えると主張しているという。

バイナンスUSはすぐに業務が停止すると主張

従業員、ベンダー、サプライヤー、専門家への給与支払い、取引プラットフォーム維持する能力がなければ、業務はすぐに停止すると、バイナンスUSの弁護士は2023年6月12日(月曜日)、裁判所への提出文書で述べた。

同弁護士は、すべての企業資産が凍結されれば、提携銀行は顧客の償還を含むいかなる目的の資金送金要求にも応じなくなる可能性が高いと指摘している。SECは“米国証券法のあからさまな無視”と顧客の資金を危険にさらす“長年にわたる違反行為”を理由に、バイナンス事業体と創設者であるジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)氏を告訴。その後、バイナンスUSの資産差し押さえを連邦裁判所に要請していた。

バイナンスは米国の顧客資産の安全を保証

さらにバイナンスUSの弁護士は、裁判所への提出書類の中で、米国の顧客資産は安全であると主張し、SECが求める厳格な救済は必要ないと主張している。

SECは、海外に保有する顧客投資の本国送金などを通じて顧客資金を保護する目的で、バイナンスUSの資産を凍結する一時的差し止め命令の緊急措置申請を提出。バイナンスはこの疑惑に対して積極的に不服と異議を唱えている。

提案された法案はSEC委員長の解任を求める

同日、当NEXTMONEYの特集記事「米下院議員、ゲイリー・ゲンスラーSEC委員長解任法案を提出」で報じたように、米国のウォーレン・デビッドソン(Warren Davidson)下院議員は、SEC Stabilization Act(SEC安定化法)を下院に提出した。

この法案の主な条項の一つに、SECのゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長を解任することが挙げられている。また、この法案は、ゲンスラー委員長の解任に加え、SEC委員長と委員の間で権限を再配分する内容となっている。共和党議員らは声明の中で仮想通貨には特に言及しなかったものの、デビッドソン下院議員と、同じく米国下院議員のトム・エマー(Tom Emmer)議員とも仮想通貨に対して前向きな姿勢を示している。

米下院議員、ゲイリー・ゲンスラーSEC委員長解任法案を提出

2023.06.13