GeminiがGenesisとの合併を検討していた
ウィンクルボス(Winklevoss)兄弟が率いる仮想通貨取引所Gemini(ジェミニ)は、Coinbase (コインベース)やFTXと競合するために仮想通貨ブローカーのGenesis(ジェネシス)と合併するオプションを検討していたことが法廷文章によって新たに分かった。
FTXが破産申請するわずか1カ月前の2022年10月、Geminiの共同創設者キャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏は、DCG(デジタル・カレンシー・グループ)のバリー・シルバート(Barry Silbert)CEO(最高経営責任者)との昼食会で、合弁会社を設立することで両社のより緊密なパートナーシップのアイデアについて話し合ったという。最近明らかになった裁判所への提出書類によると、キャメロン氏は次のようにメールの中で首長している。
両社の合併の可能性を含め、Genesis、Gemini、DCG間の緊密なパートナーシップのアイデアに興味をそそられていた
メールによると、シルバート氏はウィンクルボス氏に対し、Genesis社が破産する可能性があり、その場合、取引所の預金が“重大なリスク”にさらされることになると警告。しかし、警告にもかかわらずキャメロン氏は、そのリスクを軽減するためにジェネシスと協力し続けることを決めており、シルバート氏は次のように述べている。
私は彼に、私たちが今進んでいる道はジェネシスの破産につながる可能性があり、それがGeminiの預金、ひいてはGeminiのビジネスを重大なリスクにさらす可能性があることを明確に伝えました。彼はその部分を驚くほどうまく受け止めており、そのリスクを軽減するためにわれわれが協力する必要があることを認識しています。
投資家にとって非常にエキサイティングな会社を目指す
開示された通信によると、合併後の会社は5億ドルから最大10億ドルを調達し、24カ月以内に上場する可能性があるため、投資家にとって非常にエキサイティングな会社になるだろうと考えられている。
さらに、合併した企業は「弱い競合他社を買収して巻き上げる」機会も作るだろうとシルバート氏は指摘。2023年12月下旬にGrayscale(グレイスケール)の会長を辞任した同氏も、グレイスケールの資産をGeminiに譲渡。それによって取引所を「世界最大のカストディプロバイダー」にするという考えを検討していたとみられる。同氏はまた、統合後の事業体が、顧客のリード発掘にCoinDesk(コインデスク)を利用できると強調している。
Genesisの軌道は、FTXの破綻を受けて2023年初めに連邦破産法第11章の適用を申請してから下降線をたどっており、その後、Geminiは2023年10月下旬にGenesisに対して訴訟を起こし、Genesisが担保として提供した約6,000万株のGTBC株の所有権を求めた。
GeminiとGenesisの両社は、Earn(アーン)プログラムを通じた違法証券販売に対するSEC(米国証券取引委員会)からの訴訟など、法的課題に直面。さらに、レティシア・ジェームス(Letitia James)ニューヨーク州司法長官は、Gemini、Genesis、DCGが米国の投資家に対する詐欺に関与したとして、総額10億ドル(約1,470億円)の民事訴訟を起こしている。その後同司法長官は、賠償要求を30億ドル(約4,412億円)にまで増額させている。