米国司法省、マウントゴックス(Mt.Gox)へのハッキングでロシア人2人を起訴

米国連邦検察がロシア国籍の2容疑者をマントゴックスハッキング容疑で起訴

米国連邦検察は、当時世界最大の仮想通貨プラットフォームであった仮想通貨取引所マウントゴックス(Mt.Gox)について、2014年の崩壊を誘発した強盗を実行したロシア国籍の2人を告発したことが明らかになった。

検察は、アレクサンドル・ヴェルナー(Aleksandr Verner)容疑者とアレクセイ・ビリュチェンコ(Alexey Bilyuchenko)容疑者が、マウントゴックスの顧客資金を保管していたホットウォレットから少なくとも64万7,000BTCビットコインを盗み、その収益をロンダリングしたとして提訴したとのこと。

2011年に始まったMt.Goxからの複数年にわたる仮想通貨の盗難は、日本を拠点とするプラットフォームが倒産するまでに4億7,000万ドル以上の損失を出しており、世界最大のハッキング事件である。

容疑者の一人は別事件の犯罪仲間であることが発覚

地方検事は2019年に起訴状を提出したが、7日には裁判官に封印解除を要請しており、裁判所提出書類によると、連邦政府は両容疑者の身元を海外の法執行機関と共有し、彼らを拘束させることを目的としていた。

また、ビリュチェンコ容疑者は新たに公開された別の事件で、数十億ドルの犯罪収益を洗浄したと検察当局が指摘する、現在はすでに廃止された仮想通貨取引所BTC-eを運営し、米国で裁判を待っているロシア人、アレクサンダー・ヴィニク(Alexander Vinnik)容疑者の犯罪仲間であることを告発されている。カリフォルニア州北部地区連邦検事イスマイル・J・ラムゼイ(Ismail Ramsey)氏は声明の中で次のように述べている。

長年にわたり、ビリュチェンコ容疑者とその共謀者は、仮想通貨取引所を運営し、コンピューターハッカー、ランサムウェア実行者、麻薬組織、汚職公務員など、世界中の犯罪者に数十億ドルの資金洗浄を可能にしたとされています。

警察は2017年、ギリシャでヴィニク容疑者を逮捕しており、BBCは、当時同じくギリシャにいたビリュチェンコ容疑者が、ノートパソコンを海に投げ捨て、次の便でモスクワに向かうことで逮捕を免れた事を明らかにした。検察は、ヴィニク容疑者と他の共謀者がBTC-eを通じてマウントゴックスから盗んだ30万ビットコインを資金洗浄したと主張しており、捜査を実施。DOJ(米国司法省)刑事局のケネス・A・ポライト・ジュニア(Kenneth A. Polite Jr.)検事補は次のようにコメントしている。

ビリュチェンコ容疑者はマウントゴックスから得た不正な利益を武器に、悪名高いBTC-e仮想通貨取引所の設立に協力し、世界中のサイバー犯罪者の資金洗浄を行ったとされています。

NEXTMONEYの2022年11月24日付特集記事「BTC-e取引所関連ウォレットから1万ビットコインが送金される」で報じているように、BTC-eのウォレットから約3,299BTCを受け取り、同取引所のウォレットが2017年以降初めて送った取引となっている。なお、6年前に2人の未確認の受信者に約10,000BTCを送信した記録が残っており、容疑者らとの関係も調査されている。

BTC-e取引所関連ウォレットから1万ビットコインが送金される

2022.11.24