米国当局はマネーロンダリング容疑でバハマ銀行から5,800万ドルを押収

米国当局がマネーロンダリングでバハマの銀行口座から巨額資金を押収

米国の連邦当局は、マネーロンダリング(仮想通貨資金洗浄)の疑いでバハマの銀行口座から5,800万ドル(約80億円)を押収した事が分かった。

先月、バージニア州東部地区の裁判所で、米国当局はバハマに本拠を置くデルテック・バンク・アンド・トラスト(Deltec Bank and Trust)の資金差し押さえの令状を申請。当局は、悪意ある人物がこのアカウントを電信詐欺、銀行詐欺、マネーロンダリングに使用したのではないかと疑っている。当局は、同社の特定の顧客を、国境を越えた計画に関与しているダミー会社と結びつけており、被害者をだまして資産や現金を預けさせるため、偽仮想通貨ウェブサイトを作成することが含まれているという。これらのウェブサイトは被害者に高額の利益を約束していたものの、しばらくすると、ユーザーは資金を引き出せないことに気づいたという。

法執行機関は通信詐欺に関与したダミー会社を少なくとも74社特定。資金がバハマの口座に送金される前に保管口座まで追跡。法執行機関は、特にAxis Digital LimitedとGTALの社の登録代理店、事業所、目的を特定できなかったという

仮想通貨の特性は犯罪者にとって好都合

米国では、KYC(顧客確認)およびAML(マネーロンダリング防止)法により、銀行は顧客の身元を確認することが義務付けられている。

これにより金融機関や法執行機関がマネーロンダリングリスクを評価し、疑わしい取引を報告できる。今回発覚した事件は、仮想通貨とデジタル資産が犯罪に関与した初の事例ではない。仮想通貨を使用する人のほとんどは法を遵守するが、身元を隠したい犯罪者にとって、仮想通貨の特性は好都合となっているのが現状だ。

米国の人気俳優ベン・マッケンジー(Ben McKenzie)氏は現在、作家のジェイコブ・シルバーマン(Jacob Silverman)氏と共作本を執筆しており、デジタル資産を批判する複数の記事で協力。CNBCのSquawkboxに出演し、自身に向けられた批判について次のように語っている。

日本語訳:「私が最も懸念しているのは、大金を失った一般人です。仮想通貨市場はポンジスキームによく似ています。99%の人が損をします。1%の利益は、取引所の所有者、ベンチャーキャピタル企業、そしてコインを発行する人々です。