日本最大の航空会社ANA全日本空輸がNFTマーケットプレイスを開始

ANAがNFTマーケットプレイス開始へ

エアライングループとして世界初というNFT(非代替性トークン)マーケットプレイスであるバーチャルトラベルプラットフォーム「ANA GranWhale NFT MarketPlace」をANA NEOがオープンし、バーチャルトラベルプラットフォーム「ANA GranWhale」とともに事業を推進していくことが5月30日(火曜日)に発表された。

ANAホールディングスより画像引用

ANA NEOは、スマホ向けの時空を超える旅客機『SKY WHALE(※メタバース・バーチャルトラベルプラットフォーム)』の開発企業で、同プラットフォームでは、航空写真家ルーク・オザワ(LUKE H. OZAWA、本名:小沢 治彦)氏による初コレクションが展示される予定だ。NFTはデジタル商品の所有権として表現するための技術であり、現在は主にアートや音楽等の分野で活用されており、ANAグループはNFTを航空業界に応用することで、顧客との新たなつながりを生み出すことを目指しており、ANAは公式発表の中で次のように述べている。

ANAホールディングスより画像引用

5月30日から、航空写真家ルーク・オザワ氏の最初のデジタル写真がNFTに変換される予定で、そのうちの1枚を、写真現像の元となるポジフィルムとセットで販売する予定です。価格は10万円で、ポジフィルム付きのNFTはオークションで販売します。

購入時はクレジットカード決済に対応する予定で、今回は、ANAを含め計4社からのNFT商品を販売し、今後もNFT商品のラインアップを増やす予定という。

ANAは今後もNFT事業の拡大を図る予定

6月7日(水曜日)にはANAが初めて運航したボーイング787機のNFT画像変換を表現したNFT第2集が発売される予定であり、3Dモデルの飛行機として2種類、各787点、計1,574点、価格は7,870円でリリースされるとのこと。

そのほかにも、今後は地域の特産品の所有権をNFT化する事業も検討しており、ウイスキーなどの年代ものでは、製造過程で購入する権利を電子データで得られる商品もあるとのこと。ANAは、国内の特産品の権利を電子データとして商品化することにより、NFT市場で欧米に特産品をアピールし、訪日客の航空需要を増やしたい考えとみられる。

ANAの2022年度の売上高は122億ドル(約1.7兆円)であり、今後、NFTの商品ラインナップを増やしていく予定で、NFTの商品化を通じて顧客体験の価値向上を目指すという。ANAのGranWhaleは、VR(仮想現実)を含むテクノロジーを活用し、世界の観光地や文化を再現する仮想旅行プラットフォームとして、メタバースパークの形で2022年8月に開発がスタートした。ANAの富田光雄社長は次のようにコメントしている。

シンボルマーク(ロゴ)の矢印は、それぞれバーチャルとリアルを表し、その融合は、Web3.0やメタバース旅行が一般化する、安定と成長の未来へまっすぐ飛ぶANA GranWhaleを象徴しています。

乗り物のNFT化はANAのみならず、JR西日本や京王電鉄、JR九州、東京メトロなどの鉄道会社が行っており、NFTの22年の市場規模は約30億ドル(約4千億円)で、5年間で4倍以上に成長すると予測されているとのことだ。