バリ島は観光客に対し決済に仮想通貨を使用しないよう警告

バリ島が観光客の仮想通貨利用に警告

人気海外旅行先として日本でも広く知られるバリ島を訪れる観光客に対し、支払い手段として仮想通貨を使用しないよう警告されている事が分かった。

バリ島のイ・ワヤン・コスター(I Wayan Koster)第10代知事は、宿泊施設、レストラン、アクティビティ、買い物の支払いに仮想通貨を使用する観光客は国外追放、制裁、刑事罰、営業停止の可能性などの深刻な結果に直面し、違反者には「断固として対処する」と警告した。インドネシアのバリ州では支払いに外貨を使用することも禁止されており、インドネシアの現地通貨であるルピア(Rupiah)のみが有効な支払い師団とみなされている。他の通貨の使用はインドネシアの法律に違反し、違反者には懲役1年と最高2億ルピア(約187万円)の罰金が科せられる可能性がある。

警告にもかかわらず、バリ島の主要観光スポットのスミニャックエリアでは仮想通貨の使用が増加しているとの報告があがっている。外国人観光客と仮想通貨決済に対する厳格な姿勢は、バリ島がコロナ後の時代に流入する観光客を管理しようとする中で生じたものだ。インドネシアは2020年3月に国境を閉鎖し、約2年間にわたる制限期間を経て、2022年2月になってから外国人観光客の受け入れを再開。コロナパンデミックは観光業に大きな影響を及ぼし、外国人観光客はパンデミック前の水準から75%以上減少。企業は投資や外国の利益を呼び込むためにNFT(非代替性トークン)などのデジタル資産の使用を検討している場合もあるが、決済手段としての仮想通貨は国内では依然として厳しく禁止されている。

外国人観光客に不快感を与え厳しい制裁を

5月28日(日曜日)の観光開発記者会見で語った同知事によると、バリ島は決済に仮想通貨を使用する不正外国人観光客に対して措置を講じる予定であると厳しい姿勢を見せた。

これらの規制に対して違反した者には国外追放、刑事罰、その他の厳しい制裁が科される可能性があると述べたうえで、次のようにコメントした。

不適切な行動をしたり、ビザ許可証で許可されていない活動をしたり、決済手段として仮想通貨を使用したり、その他の規定に違反したりする外国人観光客には断固として対処する。

コスター知事の警告は、同州に入国する外国人観光客の数を制限し、また現地規則に違反する外国人の流入を抑制するために割当制度を導入するという知事の計画についての報道の中で出された。パンデミック後、バリ島は国境を再開したものの、観光客による手に負えない行為が増加。地元住民の生活を脅かしたり危険を感じさせる行為の横行などが頻発。そのため、州政府にとって頭痛の種となっている。

仮想通貨は許可されるが支払いは許可されない

インドネシア銀行バリ島支店のトリスノ・ヌグロホ(Trisno Nugroho)総裁は、同州では仮想通貨を受け入れているものの、決済に使用することは認められていないと指摘。

外貨事業活動はインドネシア中央銀行の許可があった場合にのみ行えると同知事も述べており、無許可で事業を行うと最高5年の懲役と最高220億ルピア(約2億円)の刑事罰の可能性がある。