バイナンスが規制準拠プラットフォームで進出のために日本向け仮想通貨サービスを一時停止へ

バイナンスが次のステップに向けて日本向けサービス中止を発表

仮想通貨取引所バイナンス(Binance)は、2023年11月30日をもって、日本居住者向けの仮想通貨サービスを中止することを発表したことが明らかになった。

日本市場から5年間撤退していた同取引所は、日本で新たに完全に規制された子会社を設立するプロセスを開始しており、この動きは、2022年11月に規制された仮想通貨取引所であるSEBC (Sakura Exchange Bitcoin)を買収したことを受けてのことだ。取引の一環としてSEBCは、5月31日までに現サービスを停止し、今後数週間のうちにバイナンスジャパンとして再開する予定とのこと。

規制基準遵守とコンプライアンス保証の継続的な努力の一環

今回の決定は、バイナンスが規制基準を遵守し、仮想通貨大手が運営する国々でのコンプライアンスを保証するための継続的な努力の一環として行われたものである。

規制ガイドラインを遵守するために同取引所は、2023年夏に開始予定のローカルプラットフォームバイナンス・ジャパン(Binance Japan)を積極的に開発。同専用プラットフォームは、日本のユーザーに対応することを目的としており、日本国内でのコンプライアンスとユーザーフレンドリーな取引体験を提供するとのこと。スムーズな切り替えを確実にするため、同取引所は移行リンクを提供。日本のユーザーがKYC(本人確認)プロセスを完了できるよう目指しており、発表された公式声明によると、同リンクは8月1日から11月30日までアクセス可能で、ユーザーが新しい規制に準拠するため、KYC手続きを完了することが可能とのこと。

日本は常に、国内での仮想通貨の成長を促進するパイオニアとみなされており、最近発行された仮想通貨企業向けの特定のガイドラインは、投資家とユーザーのために安全で透明な環境を確保することへの献身を反映している。バイナンスは、これらの規制ガイドラインを遵守することで、信頼を醸成し、仮想通貨業界の長期的な持続可能性を促進することを目的としているとみられている。

日本は、仮想通貨規制を導入した最初の国の1つであり、現在倒産している仮想通貨取引所FTXの子会社であるFTX Japanが2月に資金を迅速に回収したのも、この現地法が寄与しいる。日本の規制は、仮想通貨取引所が顧客資金を他の資産から分離することを求めているとのこと。バイナンスの責任者は、次のようにコメントしている。

将来的には、日本におけるサービスの充実を図り、規制当局と緊密に連携して、デリバティブサービスを完全に遵守した形で提供できるようにする予定です。

また、バイナンス・ジャパンの開設により、ユーザーフレンドリーな体験とローカルフィアットサポートを提供するローカライズされたプラットフォームがユーザーに提供される予定だ。実際、ここ数カ月同取引所は、国際的な国境を越えて事業を拡大。同社はタイの財務省からデジタルアセットライセンスを取得することに成功したことで、Gulf Innova Co., Ltd.のジョイントベンチャーである「Gulf Binance」と名付けられた新しい取引プラットフォームを設立している。