米国がトルコ系組織に対して制裁へ
USDT(米国財務省)は、トルコとUAEアラブ首長国連邦に拠点を置く複数組織に対し、米国の輸出規制に違反し、ウクライナでのロシアの戦争努力を支援したとして、制裁を科した事が分かった。
これらの企業は、米国財務省が20を超える国と管轄区域で、120を超える標的に対して展開した制裁の新しいリストに含まれている。制裁対象には、ロシアのオリガルヒ(※1)のキプロス人「フィクサー」、ロシアが支配するハンガリーの銀行、およびロシアの国営原子力企業であるロスアトムに関連する団体が含まれる。米国のテロリズムおよび金融情報担当長官の下にある財務省のブライアン・ネルソン(Brian Nelson)米国財務次官は声明の中で次のように語っている。
クレムリンが、対ウクライナ戦争でロシアに課せられた広範な多国間制裁と輸出規制を回避する方法を模索しているため、米国と同盟国とパートナーは、戦場でプーチンを支援する回避計画を妨害し続けるだろう。
旧ソ連諸国の資本主義化、主に国有企業の民営化の過程で形成された政治的影響力を有する新興財閥の事
制裁対象の詳細
財務省は、米国が指定したロシアの防衛調達会社であるラジオアフトマティカ(Radioavtomatika)の仲介者として使用されたとされる、トルコを拠点とする工業製品会社であるデクシアス(Dexias)に制裁を課した。
同じくトルコを拠点とするアズインターナショナル(Azu International)も制裁を受け、ロシアへの電子機器の埋め戻しを助長したとして財務省から非難されている。さらに、ワシントンは、アラブ首長国連邦に本拠を置くAeromotus Unmanned Aerial Vehicles Trading LLC と Hulm Al Sahra Electric Devices Trading を認可した。米国当局者はロイター通信に対し、制裁は主にロシアが所有またはロシアと関係のあるトルコの海運および貿易部門の企業を対象としており、「輸出規制の実施が進展する段階での警告として」意図されていると語った。
ブルームバーグは、トルコの高官が西側諸国の制裁を順守するため、トルコ政府が3月1日以降、制裁対象の商品の通過を阻止したと述べたことを引用。3月には、トルコ最大の空港グランドハンドラー会社のいくつかが、ロシアの航空会社が所有する西側製の航空機へのサービス提供を停止したと報告している。
一方、UAEは3月下旬に方針を転換し、米国財務省の高官がUAEをワシントンにとって「注目の国」と見なした後に、ロシアのMTS銀行のライセンスを取り消している。