シルバーゲート(Silvergate)は資本不足の可能性で事業を再検討か

シルバーゲートが事業を再検討

シルバーゲート・キャピタル・コーポレーション(Silvergate Capital Corporation)は、SEC(米証券取引委員会)に提出した書類で、資本力が不足している可能性があるとし、事業を再検討していることが明らかになった。

フィンテックと仮想通貨の大手銀行である同社は、年次財務報告書を期限内に提出ができないと述べ、証券ポートフォリオの一時的でない減損に関連するさらなる損失を計上する見込みである述べた。

同社は、多くの要因が近い将来、会社の財務的健全性に影響を与える可能性があると説明。一連の監査を完了するため、独立登録会計事務所から要求された追加の手続きを行い、文書を提供する過程にあると説明している。その中には、2022年第4四半期に経験した大幅な市場の変動、仮想通貨に対する投資家の信頼を混乱させた2022年の複数企業の倒産、デジタル資産サービスを提供する銀行に対するより厳しい規制の監視が含まれているとのこと。

仕訳の記録に時間を要するために期限内には提出できない

同社は現在、ビジネスと規制上の課題に照らして、事業と戦略を再評価している最中であり、分析、監査、後発事象に関する仕訳の記録に時間を要するため、年次財務報告書を期限内に提出できなかったとSECに伝えたとのこと。

tradingviewより画像引用

同社は、12月31日に終了した会計年度の報告書のため、3月16日までに必要なすべての情報を完成させることはできないと考えているとの見解を示した。TradingViewのデータによると、シルバーゲートは時間外に取引され、午後5時45分(EST)までに30%以上下落して9.10ドル(約1,240円)になっており、仮想通貨取引所FTXとの関連や第4四半期の預金流出で銀行の評判が損なわれたことで、株価は年初から下落しているとみられている。実際、シルバーゲートは依然としてウォール街で最も空売りされている銘柄の一つであり、2月15日現在、発行済み株式の約71%が空売りされている。

一方で、ムーディーズは2月17日、規制や法的リスクの高まりや収益性の制約から、さらなる予期せぬショックで資本が毀損(きそん)する可能性があるものの、同行の資本は十分であると発表している。その上でムーディーズは次のように語っている。

シルバーゲートは仲介預金と連邦住宅貸付銀行の資金調達への依存度を下げることを検討しているため、資金調達と流動性のプロファイルを維持する上で課題に直面しています。仮想通貨中心の企業からの預金の大量流出が続くと、銀行の財務状況にさらに悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため同社は、訴訟によってもたらされる可能性のある会社の負債や制限に加え、顧客維持が問題となる可能性が危惧されている。