トランプNFTは大幅な価値の急落
ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領のNFTコレクションが仮想通貨市場の見出しとなり、ソーシャルメディアで広く注目を集めた数日後、このデジタルコレクタブルを取り巻く興奮は薄れてしまったことが明らかになった。
NFT(非代替性トークン)市場を監視するプラットフォームOpenSeaがまとめたデータによると、トランプ氏が登場するデジタル・トレーディング・カードの価値は、発売時に350%近くまで高騰した後、ここ数日で72%下落。CryptoSlamが提供したデータによると、イーサリアム(Ethereum)スケーリングネットワークポリゴン(Polygon)で開発されたトランプNFTの取引量は、12月17日(土曜日)に過去最高を記録してから、価格も取引量も低下しており、NFTコレクションはその存在意義に苦慮している。
トランプNFTには、スーパーヒーロー、宇宙飛行士、保安官、NASCARのドライバーなど、さまざまなヒーローが描かれており、12月15日(木曜日)、1枚99ドル(約13,000円)のNFTカード4万5,000枚を売り出し数時間ですべてが売り切れている。
わずか1週間で急落のトランプNFT
NFTとは、イーサリアムなどの仮想通貨と同じ技術を使って、コンピューターの大量P2P
(Peer-to-Peer)ネットワークであるブロックチェーンに所有権が記録されている仮想芸術作品として近年、急激にその知名度を広げている。
当時、出来高は350万ドル(約4.6億円)の大台を突破しており、OpenSeaサイトでは、トランプ・デジタルトレーディングカードの売上も、12月17日の6,661枚をピークに、12月22日に529枚、23日に260枚と減少している。さらに、取引量は57%減少してETHで約836,000ドル(約1.1億円)となり、平均販売価格は466ドル(約61,700円)近くまで下落した。そして現在、同NFTは72%の下落に見舞われ、発売からちょうど1週間後の12月24日(土曜日)、1枚あたりの価値は0.23ETH、280ドル(約37,000円)にとどまっている。
しかし、ローンチ時に99ドルで購入した最初の投資家にとっては、182%という利益率を享受しているという明るい兆しもある。一方で、トランプ氏のNFTリリースをめぐってはさまざまな意見があり、政治学教授のエディ・ジッペーラー(Eddie Zipperer)氏は、トランプ氏をからかうミームの一種ではないかと述べている。また、トランプ氏のホワイトハウス首席戦略官だった右派コメンテーターのスティーブ・バノン(Steve Bannon)氏は、自身のポッドキャストで「もうこれ以上何もいうことはありません。このカードを考えた人は今日にでもクビにすべきです。」と述べている。