グレイスケールソラナETFがNYSE Arcaで取引開始、ステーキング報酬で新たな局面へ

グレイスケールのソラナETF「GSOL」がNYSE Arcaで取引開始されたことを象徴するイラスト。ブロックチェーンと金融市場の融合を表現。

ステーキング機能付きソラナETFが米国市場に上場

グレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)は、ソラナ(Solana/SOL)に連動するETF(上場投資信託)「GSOL(Grayscale Solana Trust)」をNYSE Arca上場した

ステーキング報酬を組み込んだETFとしては同社初であり、SEC(米国証券取引委員会)が承認した新しい上場基準に基づくステーキング商品として注目されている。

ステーキング報酬77%還元で長期投資に優位性

GSOLは2021年に設立され、2023年にOTCQXへ上場、2025年10月にステーキングを導入した。

今回の上場により、投資家は取引所を通じてソラナへのエクスポージャーと報酬の双方を得られる。ステーキングで得た報酬の77%は純額で投資家に還元され、純資産価値(NAV)に反映されることで複利効果が生まれる仕組みとなっている。

グレイスケールのETF担当シニアバイスプレジデント、インクー・カン(Inkoo Kang)氏は「現代のポートフォリオには株式や債券に加え、成長と分散のためのデジタル資産が含まれるようになっている」と述べ、ビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアム(Ethereum/ETH)に続く新たな投資機会としてGSOLの意義を強調した。

また、グレイスケールは公式XポストでGSOLの特徴を、「投資家はソラナへの利便性の高いエクスポージャーとステーキング報酬を同時に得られ、低コストかつ高速なブロックチェーンへのアクセスを可能にする」と紹介している。さらに、初めてのユーザーから大手金融機関まで幅広く利用可能なブロックチェーン参加型のETFとして位置付けられている。

GSOLは1940年投資会社法に基づく登録済みETFとは異なる構造で運用される。元本割れのリスクを伴い、GSOLの保有がソラナそのものの直接的な所有を意味するわけではないが、機関投資家が慣れ親しんだETFフォーマットを通じたデジタル資産アクセス手段としての信頼性が評価されている。

ソラナネットワークへの参加で広がる新しい投資の形

GSOLは単なる価格連動商品にとどまらず、ステーキングを通じてソラナネットワークのセキュリティや効率性向上に間接的に貢献できる点で注目される。

ソラナ・ポリシー・インスティテュートのクリスティン・スミス(Kristin Smith)所長は、「ステーキングを通じて投資家はネットワークの安全性強化に関与できる」と述べ、世界の金融基盤がソラナ上で再構築されつつあると指摘した。

GSOLの仕組みにより、個人・機関投資家双方がブロックチェーンの発展に関わりながら報酬を得られる環境が整いつつある。伝統金融とデジタル資産の融合はさらに進み、ステーキング型ETFの上場が増えており、市場の選択肢が拡大している。

ソラナの直近推移とテクニカル注目点

ビットワイズ(Bitwise)やカナリー(Canary)など、他社も同時期に仮想通貨ETFを上場し、ステーキング報酬を組み込む商品が増加している。

本稿執筆時点でソラナの時価総額は約1,091億ドル(約16.8兆円)、価格は198.81ドル(約30,600円)前後。日足ではわずかに下落したが、前週比では8%超の上昇を記録している。アナリストのマシュー・ディクソン(Matthew Dixon)氏は「185ドルを維持できれば、250~295ドルへの上昇が見込まれる」と分析し、GSOLのデビューが投資家心理を後押ししている。

 

ABOUTこの記事をかいた人

2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム