ジェミニが予測市場に参入 CFTC認可を足掛かりに先物とパープス展開へ

米国の規制環境とデリバティブ市場の拡大を象徴するイメージ

先物とパープス視野に米国でデリバティブ展開を加速

米国の仮想通貨取引所ジェミニ(Gemini)は、CFTC(米国商品先物取引委員会)から予測市場の提供に関する認可を取得した。

関連会社を通じてDCM(指定契約市場)を運営できるようになり、米国で規制された枠組みの下でイベントベースの契約を提供する。ジェミニはこの枠組みを起点に、先物や永久スワップなどデリバティブ領域の拡大も検討している。

ジェミニがCFTC認可で予測市場を提供へ

ジェミニは、関連会社ジェミニ・タイタン(Gemini Titan)を通じ、指定契約市場を運営するための正式な認可をCFTCから取得した。

予測市場では、政治結果や経済指標の発表など現実世界のイベントを対象に、「はい」「いいえ」で決済されるシンプルな契約を提供する。決済は信頼できるオラクルによって確定される。米国のユーザーは今後数週間以内にウェブサイトから直接アクセスできる見通しで、モバイル取引は後日対応予定とされている。

ジェミニは公式Xアカウントを通じ、これらを改めて公表した。同社によれば、申請は2020年3月に開始されており、約5年にわたる審査プロセスを経て今回の認可に至ったとしている。

タイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏は、予測市場が伝統的な資本市場と同等、またはそれ以上の規模に成長する可能性に言及し、CFTCのキャロライン・ファム(Caroline Pham)暫定委員長がこの分野の重要性を理解しているとの見解を示した。

先物とパープスを含むデリバティブ拡大を検討

ジェミニは、予測市場の立ち上げをデリバティブ事業拡大の第一段階と位置付けた。今後は、仮想通貨先物、オプション、永久スワップといった商品への展開を検討している。

同社はあわせて、XRP Ledger上でリップル社のステーブルコインRLUSDをサポートすることも発表した。ネットワーク間の送金を容易にする狙いがあるとしている。

市場の反応と競争環境

CFTC認可の発表後、ジェミニの株式GEMIは時間外取引で13.7%上昇し、12.92ドルとなった。一方、上場以降は厳しい推移が続き、9月の初値公開以来60%超下落している。

予測市場分野では取引量の伸びが続き、Polymarket(ポリマーケット)やKalshi(カルシ)が存在感を強めている。MetaMask(メタマスク)による統合をはじめ、Robinhood(ロビンフッド)やTrust Wallet(トラストウォレット)、Coinbase(コインベース)なども関連領域での動きを見せており、規制下での提供体制を整えるジェミニの参入は、米国市場における選択肢拡大につながる可能性がある。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム