FTXが裁判所にRobinhood株へのアクセスを一時停止要請
破産した仮想通貨取引所FTXが、4億5,000万ドル(約596億円)相当のRobinhood株の所有権をめぐる紛争で、米国の裁判所に支援を要請したと複数の報道機関が報じている事が分かった。
バハマに本拠を置くFTXが提出した裁判所への書類に基づくと、Robinhood Marketsの5,600万株がこの紛争の焦点となっており、現在3つの異なる当事者が所有権を主張している。そのためFTX側の弁護士は、破産事件を担当する破産裁判官に対し、真の所有権が確認されるまで株式へのアクセスを一時停止するよう求めている。FTXがそれらを所有しているかどうかは不明ではあるものの、弁護士は会社が所有している可能性が高いと考えている。なお、提出書類によると、株式は、元FTX CEO(最高経営責任者)であったサム・バンクマン-フリード(Sam Bankman-Fried)が過半数を所有するEmergent Fidelity Technologies社によって取得されましたとのこと。
Robinhood株式を名乗り出たのは3者
今回、Robinhood Marketsの5,600万株の所有権を主張している3者のうち、1つの請求者であるのが、破産した仮想通貨貸し手BlockFiだ。
BlockFiは2022年11月、株式を取り戻すためにEmergent社に対して訴訟を起こしている。アラメダ・リサーチ(Alameda Research)は、2017年9月にバンクマン-フリード氏とタラ・マクオーレイ(Tara Mac Aulay)氏によって共同設立された仮想通貨取引会社である。FTXの法律顧問によると、FTX崩壊前に、元アラメダ社のCEOであったキャロライン・エリソン(Caroline Ellison)氏はBlockFiに株式を差し入れた事が分かっている。なお、ヨナサン・ベン・シモン(Yonathan Ben Shimon)氏がRobinhood 株の所有を求める3人目の人物である。
裁判所は、管財人として指名されたFTX債権者であるシモン氏に対し、同社の株式を売却することを許可しており、提出書類には次のように記載されている。
さまざまな債務者の複数の申立て前の債権者とバンクマン‐フリード氏が全員、Robinhood株式を請求しようとしているという事実は、この裁判所が問題を解決できるまで資産を凍結する必要があることを示しています。
サム・バンクマン‐フリード氏は2億5,000万ドルで保釈
バンクマン‐フリード氏はバハマから引き渡され、8日間拘留された後、米国での詐欺およびその他の刑事告発に直面している。
12月22日(木曜日)は同氏が米国で初めて出廷し、2億5,000万ドル(約331億円)の保釈金で釈放された。同氏の相棒であるエリソン氏とFTX共同創設者であるゲイリー・ワン(Gary Wang)氏は、連邦詐欺罪で有罪を認め、2人は25万ドル(約3,300万円)の保釈金で釈放された。米国の法律では通常、破産した企業に債務を負っている当事者は、請求を履行するために資産を没収しようとすることを禁じられている。
FTX が暴落する前は、Robinhoodの株が重要な役割を果たしており、それらは、救援資金調達の取り組みに応えて、仮想通貨市場で最も価値ある資産の一部としてデータベースで売り込まれていた。しかし、Robinhoodのヴラド・テネフ(Vlad Tenev)CEOは、12月初め、同社株式が近い将来に破産手続きに関与すると予想していることを明らかにしている。