コメルツ銀行、ドイツ証券取引所の子会社と提携しビットコインとイーサリアムの取引を開始

ドイツのコメルツ銀行がビットコインとイーサリアムの取引を開始へ

資産5,000億ドル(約71兆円)を誇るドイツのメガバンクであるコメルツ銀行(Commerzbank AG)は、ドイツ取引所の子会社であるCrypto Financeと提携したことが明らかになった。

この提携によって同銀行は、法人顧客にビットコイン(Bitcoin/BTC)とイーサリアム(Ethereum/ETH)の取引サービスが提供できるようになるとのことだ。今提携によって同銀行は、ドイツ企業の間で高まっている仮想通貨への需要に対応することを目的としており、同国における仮想通貨の普及に向けた重要な一歩となる。また、今回の提携により、同銀行は法人顧客にビットコインとイーサリアムの取引機能を提供する予定であり、このサービスは当初、一部の顧客に提供されるとのことだ。

同銀行は、これらの資産の安全な取引を扱うCrypto Financeとの提携を選択しており、これらのデジタル資産の保管を管理し、顧客が規制された環境下で取引できるようにする事を目的としている。

法人顧客がデジタル通貨を利用する新たな可能性を開く

今イニシアチブは、法人顧客がデジタル通貨を利用する新たな可能性を開くとともに、規制された銀行と協力することで詐欺から顧客を保護するのに役立つため、重要である。

こうした企業にとっては、安全性やコンプライアンスを犠牲にすることなく、成長するデジタル経済に参入するチャンスとなるとのことだ。

Crypto Financeは2017年からデジタル資産分野で活動しており、規制取引とカストディサービスを提供しており、スイスを拠点とする同社は最近、ドイツに事業を拡大し、機関投資家向けにサービスを提供するライセンスを取得した。この拡大は、ビットコインやイーサリアムのようなデジタル通貨への企業の関心の高まりと一致。

同銀行と協力することで、Crypto FinanceはドイツとEU(欧州連合)の機関投資家向け仮想通貨の需要を満たす計画であり、両社は規制された環境で仮想通貨の統合取引ソリューションを効果的に提供できるとのことだ。

機関投資家による仮想通貨の普及に向けた動きが加速へ

コメルツ銀行が仮想通貨サービスの追加を決定したことは、同銀行がビットコインとイーサリアムを将来の重要な資産と見なしていることを示している。

一方で、ドイツの最大手と第2位の銀行であるドイツ銀行とDZ銀行は、仮想通貨関連サービスの提供を予告しており、ドイツ銀行は大手仮想通貨取引所Bitpanda(ビットパンダ)と提携し、金融機関から取引プラットフォームへのシームレスなフィアット(法定通貨)送金を提供する予定だ。また、DZ銀行は仮想通貨関連サービスを顧客に提供する計画を発表しており、同銀行は、この試験的プログラムを年内に開始すると述べた。

米国では仮想通貨規制のハードルが高いにもかかわらず、同様の傾向が見られており、ウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン・サックス、JPモルガンのような大手銀行は、仮想通貨に敏感であることを示している。さらに、バイナンスのリチャード・テン(Richard Teng)CEO(最高経営責任者)は最近、仮想通貨への機関投資家の参加はまだ氷山の一角に過ぎないとコメントしており、このようなパートナーシップにより、機関投資家による仮想通貨の普及に向けた動きが加速しそうだ。