Binanceが準備金額を公表
仮想通貨取引所FTXで起こった混乱の後、多くの取引所や企業が透明性を確保することを約束し、ホットウォレットとコールドウォレットのバランスを明らかにするなか、Binanceは、準備金が700億ドル(約9.7兆円)を超えていることを明らかにした事が分かった。
Binance のジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)CEO(最高経営責任者)は、Binanceはマークルツリーを使用して「完全な透明性」を提供するためのPoR(Proof-of-Reserve=予約証明)メカニズムを実装する予定であると発表。透明性の重要性を強調し、誠実さを示すためにBinanceは、公式ブログの中でホットウォレットとコールドウォレットの残高を開示。バイナンスが公開した内容によると、取引所は準備金として70,675,000,000ドルを保有しているとのことだ。
Binance保有仮想通貨資産の内訳
Binance取引所は、完全な監査済みレポートをすぐに共有すると発表しており、ビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)、バイナンスコイン(BinanceCoin/BNB)、トロン(Tron/TRX)で主要トークンを公開。内訳は475,000 BTC、4,800,000 ETH、17,600,000,000 BUSD、601,000,000 USDC、58,000,000 BNBを保有とのこと。
仮想通貨分析会社Nansen(ナンセン)の調査データによると、取引所資産の32.99%がバイナンスUSドル(BinanceUSD/BUSD)、22.92%がテザー(Tether/USDT)、10.22%がETH、8.97%がBTC、8.60%がBNB、16.29%がその他のトークンであることが明らかになった。
リザーブ内容を公開したBinanceの決定は、FTXとサム・バンクマン‐フリード(Sam Bankman-Fried)前CEO(最高経営責任者)の大規模没落に拍車をかけられた。混乱は、FTX の姉妹会社であるAlameda Research(アラメダリサーチ)の資金のほとんどがFTXトークン(FTX Token/FTT)に保有されているという報告が聞かたときに始まっている。
バランスシートに関して問題が提起され、ジャオCEOは取引所がFTTトークンでのポジションを放棄すると発表。これによってますます多くの顧客がFTXから資金を引き出したいと考えたため、流出が急増。ステーブルコインの準備金が減少した後、取引所は引き出しの処理を停止した。Binanceは、投資対象となる企業や投資先の価値やリスクなどの調査を保留中のFTXを買収すると発表したものの、翌日、Binance は買収取引をしないことを決定している。その後、FTX は米国連邦破産法第11章を申請したことを発表している。