仮想通貨取引所OKXがロシアでブラックリストに登録される

ロシアが仮想通貨取引所OKXをブラックリスト入り

オンライン検閲を追跡する地域の非政府組織Roskomsvobodaによると、セーシェルに登録された世界第3位の仮想通貨取引所であるOKX(※旧名称:OKEx)のウェブサイトがロシアでブロックされたことが明らかになった。

ロシアのインターネット検閲機関であるRoskomnadzorが行った同取引所のドメイン登録のスキャンによると、情報、情報技術、情報保護に関するロシア法第15条第3項に基づき、同サイトが制限。同条は、虚偽の情報の流布、金融機関に対する脅迫、過激派の行動の奨励などを擁護するものだが、このウェブサイト制限には、まだ明確な正当性が与えられていないとのこと。

Roskomnadzorを訴えなければわからないブラックリスト入りの理由

OKXはRoskomsvobodaのブラックリスト入りドメインのデータベースにも記載されており、オンライン検閲の監視に重点を置くこの機関は、ロシアの検閲機関に似た名称を採用しているが、「svoboda」を「nadzor」に置き換えているとのこと。

実際、ロシアがターゲットにしている仮想通貨取引所はOKXだけではなく、2020年6月には、Binanceのアジア地域責任者であるグレブ・コスタレフ(Gleb Kostarev)氏が、当初Facebookの投稿で明らかにしたように、現地裁判所はBinanceのウェブサイトも制限しているとのこと。当時、Binanceはブラックリストの発効から3カ月が経過するまで通知を受けておらず、当局からの苦情も寄せられていないと主張しており、非難の声も上がっている。

Roskomsvobodaの創設者であるアルテム・コズリュク(Artem Kozlyuk)氏は、ほとんどの場合、禁止されたウェブサイトの所有者ですらその状況を知らず、Roskomnadzorを訴えることでしか理由を知ることができないと主張している。

現ロシアの法律と矛盾する規制

一方で、ロシアの裁判所は当時、ビットコイン(Bitcoin/BTC)の発行と使用は完全に分散化されており、政府が規制する方法はなく、現在のロシアの法律と矛盾していると主張していた。

しかし、ロシア国内で仮想通貨を完全に非合法化すべきかどうか、財務省とロシア銀行の間で意見の相違があり、仮想通貨を支払い手段として使用することを禁止する法律が、7月に国家議会とプーチン大統領によって承認された。その反面、ロシア政府は、国際貿易における仮想通貨の使用、特に欧米の制裁を乗り越えるための方法として、仮想通貨の使用に前向きであると表明している。