インド執行局がWazirXの資産凍結を解除
インド最大の仮想通貨取引所の1つであるWazirXは最近、ED(Enforcement Directorate=インド法執行理事局)から救済措置を受けたと発表したことが明らかになった。
WazirXは必要なすべての詳細とドキュメントを捜査官に提供し、EDは仮想通貨取引所WazirXの資産の凍結を解除したとのこと。2021年、EDは外国為替規制違反の疑いがあるとして、仮想通貨プラットフォームに対する調査を実施しており、調査の後、EDは816万ドル(約11.8億円)、または646.70万インドルピーに相当する資産を凍結していた。ローンアプリや短期融資を行うアプリに関連する悪質行為に関する調査が進行中であることに関連して、2022年8月、EDが取引所の資産を凍結していたため、WazirXにとってようやく吉報となった。
「たまたま」WazirXを利用した企業も調査対象
調査はWazirXを使用していた約16社のフィンテック企業が調査の対象となっており、詳細な内部調査の後、WazirXは、EDによって情報が求められたユーザーのほとんどが、すでにWazirX内部で疑わしいと認識され、2020年から2021年にかけてブロックされたとのこと。
というのも、EDは16のフィンテック企業や即日融資アプリの調査を進めており、そのうちのいくつかは、“たまたま”WazirXのプラットフォームを使っていたとされている。その背景には、最近、中国製融資アプリによる脅威の増加が挙げられており、関連してEDは多くのフィンテック企業を家宅捜索しているのが現状だ。しかし、調査が終了したことで、WazirXは通常通り銀行業務を再開できるようになり、ユーザーには合法的な活動にのみ使用するよう義務付けているとのこと。実際、WazirXは、プラットフォーム上で運営されていた疑惑の告発企業の必要な詳細、情報、文書をすべて提供したことに言及しており、調査の当初から、捜査当局に協力したことを強調している。
WazirXに対して厳しい態度のWazirX
一方で、調査中、Binanceのジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Changpeng Zhao)CEO(最高経営責任者)はWazirXに厳しい態度をとっている。
NEXTMONEYの特集記事「バイナンスから WazirX への転送が無効化」でも報じたように、BinanceとWazirXの取引は、2019年中に締結される予定であったことも明らかになっている。特に、WazirXの調査を受け、BinanceはWazirXとBinanceの間のオフチェーン資金移動チャネルを閉鎖しており、このオフチェーン資金移動は、主にブロックチェーンネットワークの外で行われる取引とされているとのことだ。オフチェーン取引が人気な理由は、ガス代が圧倒的に少なく、またゼロローコストを伴うからであり、今後もその需要は拡大していくとみられている。