BinanceとWazirXの紛争が発覚
大手仮想通貨取引所Binanceのジャオ・チャンポン(Zhao Changpeng:趙 長鵬)CEOは、Wazirxウォレットを無効にできると警告し、インドの仮想取引所に資金がある人はBinanceに転送するよう警告したことが明らかになった。
この警告は、BinanceがWazirxを買収したかどうかに関するジャオCEOとWazirxの創設者ニシャル・シェティ(Nischal Shetty)氏による多数のツイートに続くものであるとのこと。Binanceの警告により、グローバル仮想通貨取引所として知られるBinanceと、インドの仮想通貨取引所Wazirxの間の紛争が深まった。
People playing deception wording games. We can shut down the domain. It just hurts users. We do NOT have control of the trading system. You just gave the AWS login, no source code, no deployment capability. You also retained access to the AWS account, source code, deploy, etc. https://t.co/Zpp6MYlHtp
— CZ 🔶 Binance (@cz_binance) August 6, 2022
欺瞞の言葉遊びをしている人々。ドメインをシャットダウンできます。ユーザーを傷つけるだけです。私たちは取引システムを管理していません。AWS ログインを提供しただけで、ソース コードもデプロイ機能もありません。また、AWS アカウント、ソースコード、デプロイなどへのアクセスも維持しました。
BinanceとWazirxの争いは、ED(India’s Directorate of Enforcement =インドの執行理事会)がマネーロンダリング(資金洗浄)捜査の一環としてWazirxの銀行資産を凍結したことから始まっている。EDの発表を受けて、ジャオCEOは、両取引所が買収を発表してから約3年後に、同社がWazirxを買収したことを否定している。しかし、氏はこれに反対し、自身の取引所は本当にBinanceに買収されたと主張しており、両者の主張に大きな食い違いが生じている事が公になっており、ジャオCEOはこの問題について次のように語っている。
Wazirxの創業チームは、プラットフォームの運用のコントロールを維持していました。Binanceは、ユーザー、KYCなどのデータやコントロール権を与えられたことはありません。私たちはWazirxの取引システムを管理していません。Wazirxは私にAWSのログイン権限を与えただけで、ソースコードもデプロイメント能力もありません。そのため、AWSアカウントへのアクセス、ソースコード、デプロイなどを実行することは不可能です。
Wazirx の所有者は誰なのか
これに対して、シェティ氏は、Wazirxを所有するZanmai Labsが7日以上EDに協力しており、必要なデータをすべて提出しているとツイートしており、今後の対応について検討中であるとしている。
一方で、インドの法執行機関は、一部の企業のマネーロンダリングを助けた疑いでWazirXへの捜査をはじめており、同国の執行理事会は、WazirXが不正資金洗浄で即日融資アプリ企業を支援していると指摘。当局はこれを理由に、6,467億ルピー(約1兆964億円)以上を保有するWazirXの銀行資産を凍結しているほか、ジャオCEOがWazirXの株式を所有していないと主張したため、WazirXは結局誰のものなのか、混乱が広がっているのが現状だ。