タカ派のスタンスで苦戦続きの仮想通貨市場に朗報か
仮想通貨市場は、FRB(Federal Reserve Board=連邦準備制度理事会)のタカ派(※好戦的で戦争など武力を辞さない姿勢を持つ集団を指す政治用語)的なスタンスにより苦戦しており、ビットコインは再上昇する前に2万ドルを下回ったものの、FRB の主要な役人は、仮想通貨コミュニティに朗報をもたらす可能性があることが分かった。
アトランタ連邦準備制度理事会(Federal Reserve Bank of Atlanta)のラファエル・ボスティック(Raphael Bostic)総裁は、インフレ(※Inflation=物価の上昇)との闘いが進展すれば、金利上昇の鈍化につながる可能性があると述べている。FRBの積極的な姿勢により、仮想通貨市場は大幅に下落。FRBは、米国のインフレと戦う責任があり、量的引き締めと利上げに頼って、高いインフレ水準に対処している。
伝統的にハト派(※[pacifist]鳩が持つ平和のイメージを政治的傾向の分類に用いたもので、穏健派、慎重派とも呼ばれる政治用語)のメンバーがインフレと戦うためにタカ派のスタンスをとったため、仮想通貨市場は懸念されていた。FRBのジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長がジャクソンホールでの演説で家計と企業に差し迫った痛みを約束したことで仮想通貨市場は崩壊。多くの専門家は、100 bps(ベーシスポイント)の利上げは避けられないのではないかと恐れ始めた。
アトランタ連邦準備銀行総裁が仮想通貨市場に朗報をもたらす可能性大
これに照らし、ボスティック(Bostic)総裁のコメントは、仮想通貨市場に良いニュースをもたらす可能性が浮上している。
同総裁は、インフレ率の低下が75bpsの利上げの縮小を支持する可能性があることを明らかにしたほか、今夏のデータが“良いニュースのかすかな光”を示していることを明らかにしている。8 月の消費者物価指数は予想を下回り、これはインフレ抑制の最初の兆候であり、個人消費支出もまた、インフレ抑制の考えを強めたとみられている。両発表後、仮想通貨市場は力強く反発。さらに、次のデータでもFRBの進展が強調される場合、50bpsの利上げが検討される可能性があるとのことだ。
なお、FRBはFOMC(Federal Open Market Committee=連邦公開市場委員会)会議で利上げを決定する。次回のFOMC会議は9月20日~21日に予定されているとのことだ。