テスラは第2四半期に9億3,600万ドル相当のビットコインを売却

Teslaが保有ビットコインをほぼ売却

最近発表された大手電機自動車メーカーTesla2022年第2四半期業績報告書によると、同社は、ビットコイン(Bitcoin/BTC)をほぼすべて法定通貨に交換したことが明らかになった。

この売却により、同社は2022年第2四半期の時点で、ビットコイン購入の約75%を売却したことになり、同社のバランスシートには9億3,600万ドル(約1,274億円)の現金が追加されたとのこと。これには同社が、6月30日(木曜日)に終了した第2四半期に、厳しいマクロ経済環境、中国のギガファクトリー上海で3週間の閉鎖につながったCOVID関連のロックダウンなど、いくつかの逆風と闘ったことが影響しているとみられている。

Tesla社によるビットコイン売却には他のトラブルも

さらにTesla社のトラブルは上記だけにとどまらず、工場が再開した直後の5月には、サプライチェーンの問題で生産がほぼ停止状態に陥るなど、それらの障害を総合すると、生産と納期の合計が前年に比べて大幅に減速している事が判明している。

同社は、当NEXTMONEYの5月13日付特集記事「テスラが「環境への多大なコスト」を理由に、ビットコインの支払いをやめる」でも報じているように、ビットコインのマイニングをめぐる環境問題を理由に、車の支払いにビットコインを利用することを中止している。それでも、同社はトップラインとボトムラインの両方でウォール街の予想を上回り、売上高は42%増の169億ドル(約2兆3,010億円)、非GAAP(※1)ベースの利益は57%増の希薄化後1株当たり2.27ドル(約310円)となったとのこと。

(米1)GAAPとは…
Generally Accepted Accounting Principlesの頭文字をとった造語で、米国会計基準であり、公正妥当と認められた会計原則の事

これに対して、テスラのCEOであるイーロン・マスク(Elon Musk)氏は、同社のマイニング産業が再生可能エネルギーに傾いていることが確認できれば、「マスク氏、テスラが50%のクリーンエネルギー使用でビットコイン取引再開と述べる」で報じているように、再びビットコインの受け入れを再開する可能性があると主張している。

Bitcoin Mining Councilの2022年第2四半期報告書によると、マイニング業界の59.5%が持続可能な電力で稼働しており、この数値は5四半期連続で50%を超えている。同社のビットコイン購入が判明したのは2021年2月であり、SEC(米国証券取引委員会)への報告書類にて21年1月から2月の期間に15億ドル(約2,000億円)相当のBTCを購入したことを開示していた。

その後、仮想通貨相場がピークを迎え、弱気相場に突入し、同社は幾度か減損を計上したものの、相場が急落した21年5月時点には、マスク氏がビットコインを売却しない姿勢を示唆したとのこと。そもそもマスク氏はビットコインおよび仮想通貨の強力な支持者として知られており、ミームコインであるドージコイン(Dogecoin/DOGE)の購入を示唆するようなツイートを繰り返していた。

実際、2021年7月、個人的にビットコイン、イーサリアム(Ethereum/ETH)、ドージコインを所有していることが確認されており、現在でもマスク氏が個人的に仮想通貨を保有しているかは明らかになっていない。