FTX CEOが破たんを明らかにしていない取引所について警告
人気仮想通貨デリバティブ取引所FTXのサム・バンクマン・フリード(SamBankman-Fried)CEO(最高経営責任者)は、最近の仮想通貨市場の状態とその軌道、仮想通貨取引所と企業についての考えを共有し、まだ破綻を明らかにしていない第3層の取引所と、過度のレバレッジに苦しむマイニング企業について警告している事が分かった。
6月28日(火曜日)に大手メディアのフォーブスによってインタビューが行われた。その中で同CEOは、財政問題が公になっている複数企業について話し、それらには、Voyager DigitalやBlockFiが含まれ、どちらもThreeArrowsCapitalのフォールアウトに続く莫大な経済的波及に見舞われた企業だ。
BlockFiとVoyagerはどちらも、同CEO率いるFTXとAlamedaVenturesからそれぞれ迅速な資金提供を受けており、これらのローンの累積額は7億5,000万ドル(約1,024億円)に上り、同CEOは次のようにコメントしている。
物事を安定させ、顧客を保護するために必要なことであれば、ここでやや悪い取引をするつもりです。
行き過ぎている企業を阻止のは現実的ではない
サム・バンクマン・フリード氏にとって、上記のような取引は、利己的なだけでなく、仮想通貨産業を存続させ、負の連鎖が広がるのを防ぐための手段であるという。
その手段がお金を失うことを意味したとしても、崩壊する市場をサポートすることは同CEOと他の仮想通貨リーダーの「義務」であると主張。同CEOは、どの企業が救済に値するかについての考えは単純ではないとして、次のように語っている。
基本的に行き過ぎている企業があり、それらを阻止することは現実的ではありません。
FTX、Binance、Coinbase、およびその他の主要取引所大手は、そのグループに含まれていない。ベアマーケット(※弱気・下落相場)では多くの従業員が大量レイオフを余儀なくされたが、その内部業務は比較的安定したオンライン証券会社によく似ていると言える。ただし、米国には600以上のあまり知られていない取引所が存在しており、その多くは危険なほど高いレバレッジを提供。投資家と自分自身を一掃する可能性があり、すでに密かに破綻している第3層の取引所がいくつかあるとフリードCEOは警告している。
マイナーに気をつけろ
フリードCEOは、ビットコイン(Bitcoin/BTC)マイニング事業者にも注目している。
ビットコインマイナーは、2022年5月初旬、ビットコインが大暴落した後、収益が急激に減少。先月、大手マイナーは実際に生成したよりも多くのビットコインを販売し、6月にはさらに大きな売り上げが見込まれている。NEXTMONEYの特集記事「マイナーの収益性が大幅に低下したためビットコインマイニング施設が閉鎖」でも報じたように、ハッシュレートとマイナーからのエネルギー消費の両方が低下し、ビットコインネットワークの安全性が低下。同CEOは、2021年の「デジタルゴールドラッシュ」の間にバランスシートでビットコインを活用した企業は、さらに問題を抱えている可能性があると考えているという。
ただし、同CEOが心配していないのは、FUD(※Fear=恐怖、Uncertainty=不確実、Doubt=疑問からなる造語で悪い噂)に長年悩まされてきたステーブルコインの大手であるテザー(Tether)とのことで、テザーに対する本当に弱気な見方は間違っていると語っている。