北朝鮮サイバー軍によるサイバー犯罪が活発化
仮想通貨市場はここ数年、世界中のサイバー犯罪者の温床となっており、特に北朝鮮サイバー軍による仮想通貨ビジネスへの継続的なサイバー攻撃により、15億ドル以上が窃取されている事が最新調査で分かった。
6月27日(月曜日)に公開された仮想通貨関連の情報提供を手掛けるCoincubの最新調査報告書によると、2022年の仮想通貨犯罪における5つの主要国リストのトップに北朝鮮を挙げている。同報告書は、デジタル資産の盗まれた資金が2021年の過去最高の140億ドル(約2兆円)に達したことを指摘した。
北朝鮮には、約7,000人の従業員からなる熟練したハッカー軍隊があり、北朝鮮が開始した国の核計画に資金を提供するため、世界の組織や企業をターゲットにして、資金を提供している事が判明している。
150カ国以上にアクセスできる北朝鮮サイバー軍
Coincubによって公開された統計によると、韓国に関連して15を超えるケースが追跡されており、調査会社は、2017年から2022年の間に発生したこれらの犯罪による総損失は15億9,000万ドル(約2,168億円)と推定している。
しかし、サイバー攻撃の正確な数や盗まれた量を誰も計れないことは事実で、北朝鮮の大軍は150カ国以上にアクセスできると同報告書は指摘している。北朝鮮のサイバー犯罪軍は、取引所のハッキングのトップであることが証明されており、そこからほとんどのハッキングが地理的にクラスター化。調査の結果、ハッキング事件に関与しているのは10件のみであったものの、実際の件数はもっと多い可能性がある。国連安全保障評議会の報告によると、ハッカー軍は主に韓国の仮想通貨取引所を標的としており、これらの取引所の1つであるBithumbはこれまでに4度のハッキング攻撃をしかけられ、北朝鮮サイバー軍は6,000万ドル(約82億円)の収益を手にしている。
なお、Coincubの最新調査報告書によると、世界の仮想通貨犯罪国トップ5は以下の通りとなっている。
1.北朝鮮
2.米国
3.ロシア
4.中国
5.イギリス
上記には浮上していないものの、日本は6位となっている。
仮想通貨犯罪で置き去りにされた北朝鮮のサイバー犯罪者
ニュースサイトThe New Yorkerの運営者であるエド・シーザー(Ed Caeser)氏は、北朝鮮のハッキング軍を明るみに出す一方で、北朝鮮は、金銭的利益のために裸で犯罪的なハッキングを行うことが知られている世界で唯一の国と非難している。
同様に、2019年の国連安全保障評議会は、国連が2016年に原子力発電の違法な活動に対して国の商品の輸出に制限を課したため、北朝鮮はサイバー軍によって窃取された資金を使って兵器生産を促進している。同様に、国連ブリーフィングによる別の報告書では、北朝鮮サイバー軍が2019年から2021年の間に5,000万ドル以上(約68億円)を失い、核計画に資金を提供するために他の7つの攻撃を開始したと指摘している。