メタバースは2030年までに5兆ドルまで市場価値が上昇の予測

メタバース市場は2030年に日本経済同等へと成長

グローバルコンサルタント会社のMcKinsey&Company(マッキンゼー・アンド・カンパニー)がメタバースに関する最新レポートを発表し、8年間で、メタバース分野は日本経済とほぼ同じサイズの5兆ドルと評価される可能性があると述べている事が分かった。

同社の最新レポート「Value Creation in the Metaverse(日本語訳:メタバースにおける価値創造)」は、11カ国、計3,104人の消費者と15の業界448社を含む2つの調査からのデータを分析している。同社の報告書によると、メタバースが日常生活に浸透し続けると仮定したシミュレーションで、ライブイベントの5割が仮想空間で開催され、2030年までに商取引の8割が「消費者がそこで行うことによって影響を受ける」という。

将来的にネットユーザーはメタバースに1日6時間費やす

インターネットユーザーは、将来的にメタバースに1日約6時間も費やすと同報告書は述べている。

特に、ゲーム分野はメタバースの主要な推進力となり、音楽や映画などのエンターテインメント業界を巻き込んでいくという。現在、ゲーム市場には世界中に約30億人のゲーマーがいると推測されており、その市場価値は27兆円規模にのぼっている。ここで注目に値するのは、ゲームだけではなく、eコマースと仮想広告は2030年までにメタバースを活用できる2つの主要なセクターになる事だ。前者ゲーム分野の支出は約2兆ドル(270兆円)から2.6兆ドル(約350兆円)、eコマースの支出は1,440億ドル(約19.5兆円)、仮想広告の支出は10億ドル(約1,350億円)と予想されている。

メタバース市場は2004年のWeb2.0に酷似

同レポートの筆頭著者であるエリック・アザン(Eric Hazan)氏は最新ブログの中で、メタバースの市場の現状が2004年のWeb 2.0に類似していると指摘している。

2004年当時、オンラインソーシャルネットワークとユーザー生成コンテンツは、人々のやり方を変えようと奮闘し、インターネット上で相互やり取りをしていたものの、インフラ技術は「消費者管理とインターネットの民主化というユートピア的なビジョン」を後押しする準備ができていなかったとアザン氏は語っている。メタバースを5年前の人工技術と同様の台頭分野として挙げて同氏は、インフラストラクチャーに不可欠な基盤となる技術を構築するための資本がこの地域に流入し続けると予想しており、次のように語っている。

数十億ドルがメタバースインフラストラクチャーの隅々に流れ込み、そこに到達するのに役立っています。これは、エンジン、ブロックチェーン、ハードウェアデバイスなどのバックエンドの技術イネーブラーから、プラットフォームや仮想世界にまでおよびます。


メタバース市場への熱意

同レポートによると、経営幹部の9.5割がメタバースが業界にプラスの影響を与える可能性があると考えていることが改めて浮き彫りになっている。

一方で消費者の約3分の2は、仮想世界と物理世界の間の統合テクノロジーによってもたらされる潜在的な変化に興奮を感じ取っているという。社会的相互作用とビジネスに革命を起こすことに加え、仮想世界の統合されたネットワークは教育やヘルスケアのような公共サービスの提供、雇用創出、コミュニティ市場の計画への新しい道を開くことができるとハザン氏は語っている。