アリババ子会社がNFTソリューションを発表
中国最大のクラウドサービスプロバイダーであるアリババグループの子会社アリババクラウド(Alibaba Cloud、※現地名:Aliyun=阿里云)は6月8日(水曜日)、開発者が高速で信頼性の高い方法でNFTマーケットプレイスを構築するのに役立つNFTソリューションの立ち上げを発表した事が分かった。
Alibaba Cloudは、アーティストやクリエイターがNFTプロジェクトを簡単に収益化できるようにするNFTソリューションを発表。アリババのNFTソリューションには、3つの異なる製品が付属しており、最初の製品であるECS (AlibabaCloudElastic Compute Service)とAuto Scalingは、開発者と作成者がNFTマーケットプレイスWebサーバーを簡単かつ高い弾力性で構築できるようにするために発売された。
2つ目の製品は、SMSを統合して、クリエイターが顧客にリーチするための効率的なマーケティングチャネルを構築できるようにするデジタルマーケティングサービスである。アリババのSMSは、ユーザーが世界中の顧客にプロモーション、通知、確認のメッセージを送信するときに、リアルタイムで最適なルートを選択するためのものとのこと。
最後の3つ目の製品は、グローバル配信サービスCDN(Alibaba Cloud Content Delivery Network)とSLB(Server Load Balancer)で、これはAlibaba Cloudノードにおける高性能NFT配信サービスであり、1秒あたり最大100,000のクエリをサポートします。アリババは、これらのソリューションが仮想通貨をサポートするかどうかについては述べていないものの、NFTとデジタルアートの採用を促進することに焦点を当てている。
中国の大手企業による仮想通貨市場への再参入
中国政府による、厳格な仮想通貨の締め出しにより、個人投資家だけでなく、一般企業、さらには世界的に活躍する大手企業にいたるまで、仮想通貨との距離を取らざる得ない状況に陥っていた。
しかし現在、アリババグループを率いてきたジャック・マー(馬 雲:Jack Ma)創業者・元CEO(最高経営責任者)により、違った角度から再び仮想通貨市場へ中国系企業が再進出している。NEXTMONEYの特集記事「AntGroup、シンガポールでデジタルバンクを立ち上げ」で報じたように、マーCEO率いるAnt Groupは、中国の国内市場を超えたデジタルバンキングへの参入を6月6日(月曜日)、シンガポール拠点のデジタル銀行ANEXT Bankの立ち上げを発表している。
今後、中国政府がどのような規制に踏み切るのかは見てではあるものの、中国の大手企業による仮想通貨業界への再参入の試みは、低迷する仮想通貨市場への大きな起爆剤となる可能性も高まっている。