リトアニアがセルフホストウォレットの禁止へ
リトアニアの財務省は、金銭の貸し出し、テロ資金供与、制裁の回避に対抗するために、匿名の仮想通貨ウォレットを禁止し、仮想通貨取引所に厳しい規制を課した事が分かった。
ホストされていないウォレットと集中型取引所の間の転送を制限するというEUの最近の決定は、すでに影響を及ぼしており、同省は、将来の欧州連合の決定を見越して行動を起こしたことを明らかにしている。同国政府は、仮想通貨規制を強化しており、匿名のウォレットを非合法化するための新しい法律を可決しようとしている。
同国財務省によると、政府は6月8日(水曜日)、「マネーロンダリングとテロ資金供与の防止に関する法律」の改正を承認。仮想通貨セクターの透明性を高め、“持続可能なさらなる発展”を確保することを目指しており、改正案は、法案が可決される前に、リトアニアの議会であるセイマスによって承認される必要があるとのこと。
国家レベルでの規制強化へ
リトアニアの法律は“匿名”アカウントの作成を禁止し、仮想通貨取引所の顧客確認(KYC)規制を強化し、同国を拠点とする取引所にリトアニアの永住者であることを義務付けており、法的エンティティの登録者は、仮想通貨取引き事業者の名前も公開される。
これらの措置は、金銭の貸し出し、テロ資金供与、ロシアとベラルーシからの制裁回避、リトアニアの市場参加者とリトアニアの国家の評判リスクと戦うための努力として、財務省によって正当化されたものである。また、ゲントレー・スケイステ(Gintarė Skaistė)財務大臣は次のように語っている。
政府は欧州連合レベルでのその後の決定に備えて、国家レベルでの規制を強化するための積極的な措置を講じています。
欧州議会は最近、仮想通貨業界向けの匿名性防止規則を推進することを決定。これにより、非保管ウォレットと仮想通貨サービスプロバイダー間の取引がはるかに困難になる。この法律は、Coinbaseのブライアン・アームストグ(Brian Armstrong)CEO(最高経営責任者)を含む多くの仮想通貨の支持者から批判されている。隣国のエストニアでの規制強化を受けてリトアニアでは仮想通貨企業の数が急増している。