アノニマスがロシアとのサイバー戦争で仮想通貨ウォレットを標的にする可能性

アノニマスがロシア政府にサイバー戦争を宣言

ロシア軍がウクライナの領土に入り、2月24日(木曜日)に本格的な戦争を開始した後、国際的なハクティビスト集団(※1)であるアノニマスは、ロシアの政府および金融機関に対するサイバー戦争を宣言した事がわかった。

日本語訳:
アノニマス集団は、ロシア政府に対して公式にサイバー戦争を行っています
(※1)ハクティビスト集団とは…
社会的・政治的な主張を目的としたハッキング活動をする集団の事を言い、このような行為をハクティビズム(hacktivism)と言う

アノニマスは、ロシアの国営銀行、金融テクノロジー企業、およびロシアの政治に関連する仮想通貨ウォレットに対するサイバー攻撃の警告を明らかにした。世界の指導者たちはロシア連邦に対し、広範囲にわたる経済的および政治的制裁を課すことに同意。しかし、ロシア政府がデジタル通貨に移行してそれらを回避する可能性があるという懸念が新たに生じている。

日本語訳:
ウクライナの仮想通貨コミュニティは、ロシアとベラルーシの政治家とその周辺の仮想通貨ウォレットに関する情報に対して寛大な報酬を提供する準備ができています。戦争犯罪は追跡され、罰せられなければなりません!情報を共有するには、Telegramで連絡してください:

その間、ウクライナ政府は、ロシアとベラルーシの政治家の仮想通貨ウォレットに関する情報に対し、寛大な報酬を提供することを申し出た。

プーチン個人の匿名アドレス

謎のハッカー集団アノニマスは、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に、向けてYouTube動画を介して演説した。

Anonymous「Anonymous Message To Vladimir Putin」より動画引用

※動画は全編英語で放映されており、日本語訳が必要な場合は、画面右下に表示されているアイコンの中から、「字幕」をクリックし、次に右隣に表示されている「設定」アイコンをクリック。表示されたメニューの中から、「字幕」⇒「自動翻訳」⇒「日本語訳」の順に設定することで。大まかな日本語訳が表示されます。

動画の中でアノニマスのメンバーは、過去数日間に多数の政府関連ウェブサイトがオフラインになり、攻撃的な体制に対するサイバー戦争を宣言し、プーチン大統領に対し、次のように語りかけている。

あなたの秘密はもはや安全ではなく、政府のインフラストラクチャーの主要なコンポーネントが乗っ取られる可能性があります。

また、ビデオの公開に続き、ハッキングが開始されており、300以上のロシア政府、銀行、および国営メディアサイトをハッキングして破壊し、ロシアに巨額の損失をもたらした責任を主張した。

同グループは、ロシア原子力協会とロシア国防省のデータベースから40,000のファイルが漏洩したと報告。このデータベースには、従業員の名前や連絡先のほかにも、メールのパスワードリストなどが含まれており、データベースは後でオンラインに投稿され、すべての人が利用できるようになっている。また、ロシアの国営通信社であるロシアトゥデイ(RT [TV network])とタス通信(Information Telegram Agency of Russia)を倒した事も判明。ロシアトゥデイは、プロパガンダや偽情報を広めたとして非難されており、ハッカーの標的にされている。DDoS(分散型サービス拒否)攻撃を含むサイバー攻撃の後、週末はRTとTassにアクセスできなくなっている。アノニマスはさらに複数のロシアのテレビチャンネルを攻撃し、進行中の戦争状況に関するビデオやウクライナの国歌を放送。一方、ロシアのメディアは、ウクライナの状況を「戦争」と呼ぶことを拒否している。

最初のターゲットではない

ロシア政府は悪名高いハクティビスト集団であるアノニマスの最新の標的になったものの、それだけではない。

同集団は2003年以降、政府および政府機関、企業、宗教機関に対する攻撃を含む、注目を集めるサイバー活動の多くを動かしてきた。同集団の行動は常にメディアの注目を集めてきたが、その正体を明らかにしたことがない。