Binanceがハッキング保護基金SAFUを構築
大手仮想通貨取引所であるBinanceが、ハッキング保護の対策を講じ、10億ドル(約1,150億円)のユーザー向けSAFU(Secure Asset Fund=安全資産基金)を構築したことを大手メディアが報じたことで明らかになった。
Binanceは、潜在的なハッキングから身を守るため対策を行っており、そのSAFUが10億ドルに達したと発表した。SAFUは2018年に開始され、取引所のユーザーの保護を目的として設立されており、Binnceは当初、すべての取引手数料の10%をファンドに割り当てる事を公表しており、最近、資産を2つのウォレットに移動している。また、Binanceは2つのウォレットアドレスを共有しており、これは1月29日(土曜日)の始値で10億ドルと評価され、このファンドは現在、7,952BTC、1,036,269BNB(Binance Coin)、および3億バイナンスペッグ米ドルを保有しているとのこと。
Binanceのジャオ・チャンポン(Changpeng Zhao:趙長鵬)CEO(最高経営責任者)は内部メモで、次のように述べている。
Binanceのファンドは常に安全であると自負していました。今日、Binance Secure Asset Fundの増資は、ハッキング問題に対するユーザーの保護だけでなく、効果的な保護手段としても機能します。
仮想通貨取引所に対するハッキング攻撃
仮想通貨取引所に対する大規模攻撃やセキュリティ侵害で、ハッカーはインターネットベースのホットウォレットにアクセスし、取引所の資産を標的にする。
これまでハッキング被害の対処のため、仮想通貨取引所がサービスを一時停止することを余儀なくされてきた。実際、NEXTMONEYの2022年1月21日付の特集記事「Crypto.comハッキング被害は最大3,300万ドル:影響を受けた顧客に払い戻し」で報じているように、Crypto.comがハッキングにより約3,400万ドルを失っている。BitMartとAscendEXは、「仮想通貨取引所Bitmartでハッキング:被害金額は1億9,600万ドル超え」、「仮想通貨取引所AscendEX(旧Bitmax)がハッキング被害:8,000万ドルが盗まれる」で報じているように、両社ともに2021年12月、ホットウォレットがハッキングされ、それぞれ1億9,600万ドル(約225億円)と7,770万ドル(約90億円)を失ったほか、Binance自体も「TronのCEOジャスティン・サンがBinanceハッキング被害のサポートを表明するも、断られる」で報じているように、2019年に4,000万ドル(約46億円)のハッキングに見舞われている。
分散型取引所は通常、ハッカーが悪用するのに最も好まれるプラットフォームとなっているが、Binanceのような集中型の取引所でもセキュリティ違反がかなりの割合で発生していると報告されている。一方、Binanceは1月29日、当NEXTMONEYの「Binance、セキュリティ上の懸念からナイジェリアのアカウントを制限」で報じているが、ナイジェリアで281の個人アカウントを制限すると発表しており、そのうちの約38%は、国際法執行機関の要請によるものであるとのこと。しかしながら、ナイジェリア中央銀行は2021年、仮想通貨取引所での取引を禁止したにもかかわらず、アフリカ諸国のユーザーは引き続きプラットフォームを使用して仮想通貨を取引しているという現状がある。