ジャマイカ銀行はまもなく展開されるCBDCパイロットを完了

ジャマイカ銀行がCBDCパイロット終了

BOJ(Bank of Jamaica=ジャマイカ中央銀行)は2021年12月末、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)パイロットを完了したと発表したことが分かった。

ジャマイカ政府は、NEXTMONEYの特集記事「ジャマイカの中央銀行が今年8月にもデジタル通貨テストパイロット開始へ」で報じたように、CBDCてすとパイロットを開始。その成功を受け、2022年の第1四半期に中央銀行のデジタル通貨を展開する予定だ。ジャマイカでは2021年の3月にプロトタイプのCBDCが発表された後、パイロットは5月に開始されており、2021年12月に全ての準備が完了している。

2021年8月には、「ジャマイカ銀行、CBDC「デジタルジャマイカドル」最初のバッチを鋳造」で報じたように、初回鋳造で2億3,000万ジャマイカドル(約1.7億円)相当のデジタル通貨を生成したほか、ジャマイカ中銀の銀行部門に向けて、100万ジャマイカドル(約74万円)相当のCBDCを発行。また、これらの中にはウォレットプロバイダーへの発行、小売顧客へのデジタル通貨の配布が含まれており、4つの小規模商店、53人の一般消費者の合計で57の顧客にCBDCを供給したことも明らかになっている。

各国が競うCBDC発行

ジャマイカ銀行はCBDCの開発にあたり、デジタル通貨ベンダーのeCurrencyMintと提携しており、国のNCB(National Commercial Bank=ジャマイカ国立商業銀行)も、提供されるサービスの範囲のテストを行っている。

NCBはCBDCを発行した最初のウォレットプロバイダーでもあり、新規顧客をオンボーディングし、2つのウォレットプロバイダーが中央銀行にCBDCを注文できるようにするなど、ウォレットプロバイダーの顧客間のトランザクションをテストする役割を果たしている。実際、世界の他の中央銀行がCBDCの展開を準備していることを考えると、ジャマイカ銀行がCBDCの展開を達成するために順調に進んでいることを示している。大西洋評議会によると、現在、87カ国が独自のCBDCを調査しており、中国や韓国などの主要経済国を含む14カ国がパイロット段階にあり、9つはすでにCBDCを完全に立ち上げている。

日本銀行も2021年4月、「【速報!】日本銀行が本日、CBDCの概念実証テストフェーズ1を開始」で報じているように、CBDCの実証実験を開始しており、システム的な実験環境を構築し、決済手段としてのCBCDの中核をなす発行・送金などの基本機能に関する検証を開始している。しかし、日銀を含む7つの中銀とBIS(国際決済銀行)による共同研究グループは、消費者の将来のニーズに応えるためにはイノベーションや選択、競争を促進するシステムが必要であるとの見解を示している。そのため、CBDCだけに固執するのではなく、現金、CBDC、銀行預金、民間デジタルマネーなどのさまざまな決済手段が共存する社会が理想であるとされている。

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