ジャマイカの中央銀行が8月にCBDCテストパイロット実施
ジャマイカの中央銀行にあたるジャマイカ銀行(Bank of Jamaica)は、国内の金融機関と協力し、現在計画されているCBDC(中央銀行発行のデジタル通貨)テストの実施準備をしていることが分かった。
地元メディアの報じた内容によると、ジャマイカの中央銀行は、2021年8月、中央銀行によるCBDCプロジェクトの初期テストを開始するとのこと。ジャマイカ銀行のリチャード・バイルズ(Richard Byles)総裁は、7月初めに開催された現地ロータリークラブイベントの場にてパイロットテスト開始を公表した。
バイルズ総裁は、8月にパイロット段階を開始する計画を詳細に説明し、中央銀行がすでにインフラストラクチャー全体を備えたサンドボックス環境内でCBDCの技術的側面に取り組んでいる。認可された商業銀行、預金取扱機関(DTI)、および支払いにのみ販売されると述べ、通貨の発行と分配は、銀行が使用する金融市場インフラストラクチャーまたは即時グロス決済システム(RTGS)とも完全統合されると述べたうえで次のようにコメントした。
通貨の技術的な鋳造に取り組んでいるので、8月に行うパイロットとして厳密にテストする必要があります。9月から12月に、より多くの銀行を採用して参加させ、その後、パイロットを徐々に拡大してCBDCの本格的な立ち上げを行います。
1CBDC=1ジャマイカドル
なおバイルズ総裁は、計画中のCBDCの詳細を明かし、各金融機関については中央銀行と消費者間の仲介者として機能すると明かしている。
ジャマイカの紙幣を補完するように設計されたCBDCにより、金融機関は1ジャマイカドルに対して1CBDCとして個人および企業の口座保有者にデジタル通貨を発行できるようになるとのことでバイルズ総裁は次のように語っている。
金融機関は、1CBDCに対して1ジャマイカドルでCBDCを作成し、企業や個人に販売します。ただし、金融機関は、顧客が購入したり、携帯電話から携帯電話に支払いを受け取ったりするためにアクセスできるように、それぞれの銀行のデジタルウォレットアカウントにCBDCを保持します。
銀行口座を持たない人々に向けて
バイルズ総裁は、銀行口座を持たない人々に金融サービスを提供するためのプラットフォームとしてCBDCを使用するという中央銀行計画についても言及している。
中央銀行総裁は、金融機関および電気通信会社(telcos)の支援を求め、通常の銀行口座を持っていない人も、より簡単な方法でCBDCアカウントにアクセスすることを模索していくとのことだ。さらに、サービスが主流になるためには、高水準の商人と消費者の受容性と相まって、はるかに堅牢(けんろう)な通信インフラストラクチャーが必要になる。成功を確実にするためにあらゆる努力を払う必要があると述べた。