イーサリアムハッシュレートが17%急落:中国の仮想通貨対策が非難される可能性浮上

イーサリアムハッシュレートが大幅低下

イーサリアムネットワークの全体的なハッシュレートが、直近の1カ月足らずで610,832GH/sから505,770GH/sに低下したことが分かった。

イーサリアムネットワークのハッシュレートの大幅な低下は、マイナーが仮想通貨をマイニングする意思がないか、マイニングできないことを示している。これらの背景にはおそらく、中国政府によって実施されている仮想通貨マイニングの監視強化と取り締まりが原因の可能性がある。

特に米国系半導体メーカーのNvidia(エヌビディアコーポレーション)は、イーサリアムマイナーの流出を思いとどまらせるため、多くの対策を実施してきた。ただし、専用の仮想通貨マイニングハードウェアを起動したり、Ampereベースのグラフィックカードのハッシュレートを下げたりするなどの対策は、それを止めることはほとんどなかったとのこと。Etherscan.ioからの最新情報によると、Ethereumネットワークの合計ハッシュレートが17%低下したことを示している。

Etherscanより画像引用

2021年7月5日の時点で、イーサリアムネットワークの合計ハッシュレートは約505,770GH/sで、これは2021年6月の平均値である610,832GH/sよりも著しく低く、6月の平均値より105,062GH/s(約17%)の削減だ。この数に達するには、ピークが120MH/sである875,000を超えるGeForceRTX3090が必要になる。

ハッシュレート低下は中国政府の背策が原因か

仮想通貨マイニングに対する中国政府による取り締まりは、イーサリアムネットワークの全体的なハッシュレートの低下の理由の可能性がある。

一部の中国のマイニング業者はすでに拠点を中国から米国やカザフクスタンに移転し始めており、マイニング業者がより緑豊かな牧草地に移動することによって引き起こされる一時的な後退にすぎない可能性がある。

世界的な半導体不足

世界的な半導体不足は今年だけではなく、おそらく2022年まで続くと予想されている。

マイニング業者は使用済みのグラフィックカードの集中砲火で市場を氾濫させる時が来るとみられており、これによってグラフィックカードの価格が大幅に下がると予想されている。この問題はすでにある程度起こっておいるものの、メーカーの希望小売価格までにはしばらく時間がかかりそうだ。