タイ銀行がCBDCパイロットテストを延期
タイ銀行(Bank of Thailand:タイ王国中央銀行)によるCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)テストが2022年の最終四半期に数カ月延期されたことを発表た事が分かった。
NEXTMONEYの特集記事「タイ銀行、が2022年1月にも金融情勢に関する協議書を発表へ」で少し触れたように、同銀行では、CBDCテストを予定。当初、同テストは第2四半期までに実施される予定であったものの、2022年後半に一般向けテストへと計画を変更し、事実上、計画の延期となった。延期を確認したロイターの報道によると、同国がCBDCの作成を検討しているとほうじており、最終的に完全に立ち上げられ、これは現物の現金に匹敵する可能性があるという。
タイ銀行は効率重視
タイ銀行はパイロットテスト開始日を前倒しする具体的な理由について言及することを拒否しているとロイターは報じている。
しかし、現段階で見えている兆候から、同国がデジタル通貨を立ち上げるために指定された目標の1つを達成できなかったとみられ、同銀行は、貿易、商品、サービスなどを提供するさまざまな取引を促進するため、慎重にCBDCを展開していく姿勢をみせている。同銀行は、以前予定されていたテスト段階で、テストのために提携するさまざまな企業とすでに相談していると指摘されていた。
タイ銀行は、すべての市民がCBDCに関与できることを望んでおり、テストはオンラインとオフライン両方で実施されると述べている。タイ銀行の副所長であるカシディット・タンサングアン(Kasidit Tansanguan)氏は、進捗(しんちょく)状況について、「少し洞察を与え、銀行の目標は効率を確保すること」だと述べている。
銀行はCBDCの開発を支援
CBDCは、世界があらゆる形態の現金払いから遮断されたコロナウイルスパンデミック後に行き位に現実味を帯びてきている。
パンデミックによって、世界中のあらゆる場で家に閉じ込められた人々は、オンラインでしか取引ができず、現金の使用を制限するための手段として、結果、多くの国でCBDCを導入しているか導入を前提としたテストへと突入している。なかでも、世界のトップを走っている中国では、CBDCのテストを重ねており、正式な立ち上げの日が刻々と近づいている。
このような容共のなか、各国の銀行はCBDCの開発を奨励しているものの、CBDCの台頭とほぼ同時に仮想通貨に対しては否定的な感情を抱き始めている。これらを実感させるようにタイ銀行では最近、CBDCは“デジタル資産と競合しない”が、オンライン版の現物現金を介して人々が取引を行うのを支援すると述べている。