中国の仮想通貨取り締まりが激化はウェブサイトにまで波及
世界的にも人気の高い2つの仮想通貨価格追跡サイトが、中国のインターネットファイアウォールによってブロックされた事が判明した。
中国のインターネットファイアウォールによってブロックされた仮想通貨価格追跡サイトはCoinGeckoとCoinMarketCapで、現在中国に拠点を置くユーザーは2サイトともにアクセス禁止措置が講じられており、サイトの閲覧ができなくなっている。特定のドメインが中国でブロックされているかどうかをユーザーが確認できるサイトComparitechの検索結果では、現在、中国では両サイトにアクセスできないことが確認されている。
2つのウェブサイトに中国のユーザーがアクセスできなくなった時期は正確にはわからないものの、制限はウェブサイトによって積極的に施行されたのではなく、グレートファイアウォールを担当する中国のインターネット検閲機関であるCAC(Cyberspace Administration of China=国家インターネット情報弁公室)によって施行されたとみられている。
中国当局は、何年もの間、仮想通貨に対して厳しい姿勢をとってきており、2013年以来、何らかの形で仮想通貨を禁止すると宣言しているものの、一部は永続的な影響を及ぼしていない。しかし、2021年6月以降、ここ数カ月で状況はより深刻になっており、9月15日(水曜日)、PBoC(中国人民銀行)は、マイニング禁止措置や仮想通貨取引所への規制強化など、仮想通貨に関連するすべての活動は違法であると宣言し、厳しい姿勢で取り締まりに臨んでいる。さらに、中国の中央銀行が発行した通知によると、当局は、海外の仮想通貨取引所のマーケティングやプロモーション、支払い決済、技術サポートに関与する人を調査すると宣言している。
仮想通貨取り締まり強化の一方で抜け穴も
中国国内において仮想通貨の所持について、現段階ではまだ違法になっていない。
最近の取り締まりにより、中国国民は仮想通貨を合法的に取得、保持、または使用することが困難にな状況に陥っている。2021年初め、中国は顔す通貨マイニングを取り締まり、カザフスタンと米国、特にテキサスへマイニング企業が移住を余儀なくされた。CoinGeckoとCoinMarketCapをブロックする動きは、中国国民が仮想通貨価格を確認する行為を防ぐことを目的としているため、最近の取り締まりを増強させていると考えられる。
とはいえ、中国の顔す通貨ユーザーは、仮想プライベートネットワーク(VPN)を使用してグレートファイアウォールを回避することで、CoinGeckoとCoinMarketCapにアクセス可能だ。集中型取引所も禁止されているものの、UniswapやSushiなどの許可のない分散型取引所で市民が取引するのを阻止するために当局ができることはほとんどないとみられており、これまでと同様、規制当局が強固姿勢で規制に挑んでも、多くの抜け穴がまだまだ存在している。