「BinanceUSは、1〜2か月以内に米国部門を立ち上げる予定」=バイナンスCEO

「BinanceUSは、1〜2か月以内に米国部門を立ち上げる予定」=バイナンスCEO

2019年8月14日、オンラインニュースサイトcheddar(チェダー)のインタビューにて、バイナンスのCEO、Changpeng Zhao(以降CZ)氏は、明確な日付を約束することはできないとした上で、今後1~2か月後にBinanceUSを立ち上げることを明かした。

バイナンスはKYCフリーであるため米国市民の利用が(マネーロンダリングのグローバル化防止などの理由で)制限されているが、米国市場から得られる大きな利益を見過ごすこともできず、新しくKYCを必要とするBinanceUSの立ち上げを進めている。
バイナンスは9月12日から米国市民の利用ができなくなるため、早ければ9月12日以降、遅くても11月にはサービスが利用可能になると思われる。バイナンスUSは、BAM Trading Servicesと提携することや、元リップルのCatherine Coley氏がCEOに就任するなど、情報が少しずつ公開されてきた。

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2019.08.11

米国での開業は容易くない

CZはインタビューの中で、バイナンスもBAMも、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)が発行するBitLicense(ビットライセンス)を取得していないため、バイナンスUSの開設はニューヨークにはならないと語った。ただし、BAMは米国の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)に認可されている。バイナンスUCのCEOは、具体的な申請の内容(どこに開設するのか)についてコメントを出していない。

米国における仮想通貨の対応や管轄は複数に分かれている。中でも、仮想通貨交換業者については州当局が規制を行っている。ニューヨーク州で取引所を開設するには、ニューヨーク州金融サービス局のビットライセンスを取得しなければならない。さらには、資金調達や管理などの財務状況を開示したり、投資家を守るための顧客資産保護などの用件を満たす必要もある。
なお、ビットライセンスの規定は、2014年のMt.Gox(マウントゴックス)の事件に端を発する。取得した企業はコインベース・リップル・ビットフライヤーなど。

セキュリティに懸念

バイナンスUSだが、サイバー攻撃を頻繁に受けている本家のことを考えると、いささかセキュリティに不安が残る。8月10日にはライトコインユーザーにダスティング攻撃(ゴミのように少額の仮想通貨を不特定多数のウォレットに送り付けて持ち主を特定する攻撃)があったと発表。取引所にコインを預けっぱなしにするリスクがさらに高まってしまった。