フィデリティがSECにビットコインETFの承認を求める

フィデリティがSECにビットコインETFの承認を求める

米国の大手金融サービス企業であるフィデリティインベストメンツ(Fidelity Investments)が、SEC(米国証券取引委員会)にビットコイン(Bitcoin/BTC)ETF(上場投資信託)の承認を求めたことが明らかになった。

フィデリティインベストメンツのトム・ジェソップ(Tom Jessop)CEO(最高経営責任者)は、仮想通貨市場は十分に成熟したと主張しており、SECに対してビットコインETFを承認するように求めた。同社は、2014年に仮想通貨との関わりを開始し、それ以来、仮想通貨の保管、マイニング、BTC投資ファンドなどの幅広いデジタル資産機能を開発してきたことで知られる。

フィデリティがSECにビットコインETF承認を求めた背景

最近のファイリングによると、フィデリティインベストメンツは、9月8日(水曜日)に開催されたプライベートミーティングにおいて、ジェソップCEOの他、6人の幹部と多数のSEC職員の間で話し合いが行われた。

その話し合いの中で同CEOは、ビットコイン市場がその取引量を大幅に増加させたことや、機関投資家達からの仮想通貨投資への需要が拡大していることを例にあげた。SECは以前からビットコインETFを承認する条件の一つとして、深い流動性を持っていることを挙げており、現在のビットコイン市場がその条件を満たしていると考えているようだ。

米資産運用会社であるVanEck(ヴァンエック)のジャン・ヴァンエック(Jan van Eck)CEOは、自社顧客はビットコインETFのような金融商品に対する欲求が高まっていると主張し、SECにそれを承認するよう促している。さらにジェソップCEOは、最近ではカナダや一部のヨーロッパ諸国など、多くの国の規制当局がビットコイン上場投資信託を許可し始めていることも主張している。フィデリティインベストメンツは、2021年3月にビットコイン上場取引型商品であるワイズオリジンビットコイントラストに申請を行ったほか、他の20社以上の企業も同様の申請を行ったがSECの回答は出ておらず、SECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)会長は次のように語っている。

私はテクノロジーに中立ですが、仮想通貨に興味をそそられています。しかし、投資家保護については中立ではなく、私たちはそれらの投資家を詐欺から守る国としての役割を持っています。

2021年に入ってフィデリティインベストメンツ社は、NEXTMONEYの特集記事「フィデリティが機関投資家向けのデジタル資産分析ツールを発表」で報じたように、投資家向け新サービスを提供しているほか、SECとの立法上の争いの最中にもかかわらず、仮想通貨関連の従業員を70%増加させる決定をしている。

フィデリティが機関投資家向けのデジタル資産分析ツールを発表

2021.05.03