キューバが国内での支払いに仮想通貨を認識し規制へ
キューバ共和国(※以下、キューバと表記)政府は8月26日(木曜日)、国内での支払いのための仮想通貨を認識し、規制すると発表した。
公式官報に発表された決議で、キューバ中央銀行が仮想通貨の規則を設定し、キューバ内の関連サービスのプロバイダーにライセンスを与える方法を決定すると述べた。仮想通貨の人気は、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領の下で課された禁輸規則の強化などが要因となり、ドルの使用が困難になったため、キューバ国内の技術に精通したグループの間で仮想通貨での支払い機運が高まっていた。
仮想通貨の価値は大きなボラティリティが不安視されているが、キューバでは通常、中央銀行から独立している特性などから、広く分散されたブロックチェーンコンピューターコードを使用して転送を追跡して行く予定とのこと。仮想通貨は匿名で長距離の相手方との取引にも使用できるため、キューバなどへの送金に対する米国による厳しい規制など、政府の規制を回避しようとする人々に人気がある。
キューバ政府による今決議は、中央銀行が「社会経済的利益の理由で」仮想通貨の使用を許可することができると述べ、キューバ政府はそれらの運用が管理されていることを保証している。また、操作に違法行為を含めることはできないことも明記していることが明かされた。
地元の仮想通貨専門家兼プログラマーのエーリッヒ・ガルシア(Erich García)氏は、一部のキューバ人はすでにこれらのデバイスを積極的に利用しており、その多くのケースでギフトカードを介してオンライン購入に使用していると述べた。
キューバではP2Pの利用が急増
キューバ国内では、アメリカなどによる経済制裁の影響や、いんたーねっとの整備が満足に進んでいない環境から、インフラ未整備の国や地域と同様に、気軽に所持できる携帯電話を使ってP2Pを介した仮想通貨取引きが活発に行われている。
仮想通貨取引きに対する法的整備が手つかずのキューバでは、2020年4月にP2P形式での仮想通貨取引所「Qbita Exchange」が開設されている。Qbita Exchangeは他のP2P取引所とは異なり、キューバ向けにカスタマイズされた取引所となっている。この取引所は、不十分なインターネットサービスや制限などと相まり、世最大かつ重要な仮想通貨取引所およびウォレットプロバイダーがキューバを回避しているため、超軽量ビットコインウォレット「Qbita」作成者であるマリオ・マッツォーラ(Mario Mazzola)氏によって、ビットコインウォレット、支払いプラットフォーム、P2P取引という、オールインワン仮想通貨エコシステムを独自に開発したQbita Exchangeが立ち上げられた。