ベネズエラ、2021年10月に「デジタルボリバル」を発売へ

ベネズエラ中央銀行が10月にCBDC発売へ

ベネズエラ中央銀行(Banco Central de Venezuela)は、国内のハイパーインフと戦うため、2021年10月に「デジタルボリバル」を発売すると同時に、通貨から6つのゼロを切り落とすと発表した。

ベネズエラ中央銀行は8月5日(木曜日)、NEXTMONEYの特集記事「ベネズエラのマドゥロ大統領、デジタル通貨を計画していると明言」で報じたように、デジタルボリバルを10月1日に流通させると発表した。

デジタルボリバルは、CBDC(中央銀行の発行するデジタル通貨)の一例で、これはビットコイン(Bitcoin/BTC)などの分散型仮想通貨とは対照的に、国の中央銀行が発行する従来の法定通貨のデジタル表現した通貨である。

法定通貨から6つのゼロを削除

ベネズエラのCBDC「デジタルボリバル」は、通貨から6つのゼロを削除する通貨のデノミネーションが伴うことが合わせて発表されている。

この動きにより、過去15年間のデノミネーションの総数は3つになり、故・ウゴ・チャベス(Hugo Chávez)前大統領は、2007年に3つのゼロを削除。続く次のニコラス・マドゥロ(Nicolás Maduro)第54代大統領は、2018年10月5日付の特集記事「ベネズエラの国営仮想通貨ペトロが11月5日に公開販売開始」で報じたように、5つのゼロを削除すると同時に、同国独自の仮想通貨「ペトロ」を作成している。

このデノミネーションは、デジタル通貨の発表も加わっているが、あまり効果がない可能性があると指摘されている。同じくハイパーインフレと戦うジンバブエは、支払いのために外貨に頼る前に、2000年代以降、3度デノミネーションしている。

デジタルボリバルの発行についてベネズエラの金融政策は、ハイパーインフレのサイクルから抜け出すことを目的としており、新しいCBDCの導入は、その使命を強化するのに役立つ可能性に注目している。ベネズエラ中央銀行は、ベネズエラとベネズエラ人によって作られた、無料のソブリンシステムである新しい金融メッセージング交換システムにも取り組んでおり、国内の銀行業務において外国のシステムからの独立を促進している。この目的は、ペトロ発行の目的でもあったが、米国主導の経済制裁強化により、同国の金融システムが衰退し、目的を達成していないが、デジタルボリバルの発表に際し、その件については一切触れられていない。

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